フィリピンの昨年の経済成長率も7.3%に達したことをお伝えした。
2011-02-08
アセアンの10カ国を、経済発展の程度で3つのグループに分けてみると、以下のようになろう。
ちなみに、カッコ内は「世界経済のネタ帳」による2009年の一人当たりGDPであるが、
ほぼ実感の順番と一致する。
1、先進グループのシンガポール(36,379ドル)、ブルネイ(25,386ドル)、
マレーシア(6,950ドル)、タイ(3,941ドル)
2.中進グループのインドネシア(2,329ドル)、フィリピン(1,748ドル)、ベトナム(1,068ドル)
3.後進グループのラオス(886ドル)、カンボジア(768ドル)、ミャンマー(571ドル)
の3グループに分けることが出来るだろう。
2010年は、各国とも予想以上の経済成長となった。
昨年の実質GDP成長率を高い順位並べると、以下のようになる。
1.シンガポール 14.7%
2.タイ 7.9%
3.ラオス 7.7%
4.フィリピン 7.3%
5.ベトナム 6.8%
6.マレーシア 6.7%
7.インドネシア 6.1%
8.ミャンマー 5.3%
9.カンボジア 4.3%
10.ブルネイ 0.5%
石油資源に頼るブルネイは、成長の余地も少なく、先進国並みの低成長だったが、
他の国は、シンガポールの超高成長を除き、ほぼ8~5%の予想以上の高成長だった。
シンガポールの高成長は、製造業(なかでも医薬製造)の30%という
極めて高い伸びのため、と説明されている。
この成長の下、インフレ率も上昇してきている。
CPI(消費者物価指数)上昇率の高い順に並べると、以下のようになろう。
なお、このインフレ率は、一部を除き、昨年12月から今年1月までの、
各国の直近の前年比上昇率である。
1.ベトナム 12.2%(1月)
2.ミャンマー 7.2%(10月)
3.インドネシア 7.0%(1月)
4.ラオス 5.8%(12月)
5.シンガポール 4.6%(12月)
6.カンボジア 3.2%(11月)
7.フィリピン 3.0%(12月)
8.タイ 3.0%(1月)
9.マレーシア 2.2%(12月)
10.ブルネイ 1.2%(9年12月)
このため、主要国の中では、フィリピンを除いて、
政策金利の引き上げに入っている。
それにしても、共産主義政権のベトナムのインフレ率は高い。
成長するアセアンは、インフレ防止策に入ってきた。