世界第2位の日本(960万台)、3位のアメリカ(780万台)を
足した台数より多い1,830万台(うち乗用車が1,390万台、いずれも2010年)
を生産している自動車大国中国。
中身は別にして、生産台数は圧倒的だ。
しかし、共産党政権は、中国の自動車生産事情に不満である。
なぜか?
外国資本の生産が多いからである。
25年前、外国の自動車メーカーがこの国に入ってきたとき、
単独生産でなく、中国メーカーとのジョイント・ベンチャーでの
共同生産を要求された。
もちろん、生産のノウハウを獲得するためである。
ただし、技術及び知的財産は保留してよいことでスタートした。
そして、世界一の自動車生産国になって、今起こっていることは、
そこで生産される外国ブランド(ホンダとかビュイックとかフォルクスワーゲンなど)の
クルマが市場の7割を占めていることである。
共産党政権のもくろんだ国産ブランドはいまだ大きく広がっていない。
そこで、今回、上海オート・ショウを機に、中国ブランドの浸透を図ることにした。
GMは、昔のGM車に「バオジュン(宝馬)」というブランドで売り出すことになった。
価格は、7万~10万人民元(10,700~15,300ドル)。
ホンダやニッサンも続く。
これらの土着ブランドの車は、中国で多い中小メーカーの車や
外国ブランドのエントリー・レベルの車と競うことになる。
共産党政権は、また、これからは外国メーカーが中国で拡大したいなら技術移転も
行なうよう要求を強めていくとも見られる。
これには強い抵抗が予想されるが・・・。
中国産の車の多くは、中身の部品や技術は外国のもの、
まずは名前だけでも中国風にしようというわけか。
さてこの試み、国産技術を育てるきっかけになるのだろうか?