しかし、タイの政府は楽観的である。
商務省は、「4月は、暑さが強く、洪水もあったため、生鮮野菜が14.4%も上がり、肉類も7.2%押し上げた。変動の大きい食品、燃料を除く‘コア・インフレーション’は、前年比2.1%の上昇に過ぎない」と言っている。年間で3.2~3.7%のターゲットを変えていない。
しかし、4月は、賃金のアップに加え、エネルギー価格の上昇、さらにはタイ特有の価格統制の一部撤廃などもあり、インフレ・アップは予想されたことだ。
PPI(生産者物価指数)は、前年比6.6%の上昇となっている。
食料品とエネルギー価格を、振幅が大きいからと‘コア’から除くのもおかしなことだ。この国は、農産物を輸出して、ほぼその同額で石油・ガスを輸入している国だ。
補助金で価格が抑えられているディーゼル油と天然ガス。この輸送・産業用の素材が、補助金プールがなくなり、自由化されていくとき、タイのインフレ率は一段と上がらざるを得ない。
それとも、それまでに国際原油価格が下がってくれることを祈るべきだろうか。