福島第1原発の1号機にも作業員が入れるようになったとは、何よりである。
しかし、なお漏れているはずの放射能の累積量がなんとも気に掛かる。
しかし、日本からの情報を見ても、爆発以降の放射能の降量が累積でどのくらいになっているのか、このまま行くと1年間でどのくらいの量になりそうなのか、「首相官邸の災害対策本部」のページなどを見ても判らない。すでに政府や保安院、東電からの情報は‘お上の安心させるための大本営情報’と、信頼度を落としているだろうことは想像に難くない。
首相官邸のページを見ると、原子力災害専門家のコメントとして、「ICRP(国際放射線防護委員会)の国際基準では、一般人の被曝限度は1年間に1ミリ・シーベルト(1000マイクロ・シーベルト)としながらも、緊急時の今は20ミリ・シーベルトを制限の目安とする」とうたっています。
http://www.kantei.go.jp.cache.yimg.jp/saigai/senmonka_g5.html#source4
「緊急時は20~100ミリ・シーベルトが一般人の目安だが、政府は最も厳しい(?)20ミリを採用している」と言っています。1ミリ、20ミリ、100ミリの危険度の目安に何の説明もなく、これでは、仮にさらに放出線量が増えたら、100ミリに引き上げます、と言いそうだ。なんとも不信感を買うコメントだ。
放射線量が増えるとがんなどの発生リスクが高まるとすると、百歩退いて、20ミリへの引き上げを容認するとすると、リスクが高くなる代わりに、どういったメリットが一般人にもたらされるのかの説明がなくては誰も受け入れられない。収束作業がスピードアップ化し、早めに安心できますとでも言うのだろうか。自動車のスピードアップにしても、速度制限を上げれば事故の確率は高まるが、時間を節約できることとのトレードオフで受け入れられている。年間1ミリは実現不可能だから、20ミリにさせてもらうとしか聞こえない。
1ミリにしても、元々わからない。地球上で自然に暮らしていても、空気中のラドンなどから年間2.4ミリ・シーベルトの被曝を受けているというが、自然の被曝と人工的な被曝では透過力が違うのだろうか。東京・ニューヨーク間を年間5往復すると1ミリになるので、それ以上はやめるべきか。胃のX線透過は2回で1.2ミリになる。
放射能の累積降量を4月なかばにチェックしてみた。文部科学省の発表も、なぜか、一番放射能が多く出たはずの3月14日から10日間のデータが出ていなかった。原発に近い福島県の町村では、爆発2~3ヶ月で累計100ミリ・シーベルトの危険限界に近づくことがわかった。
「放射能の強さと放射能の累積降量 2011-4-17」」
http://uccih.exblog.jp/13402272
今の関心は、首都圏への累積降量である。政府によるデータに基づく説明がないので(文部科学省はただ時間当たり線量の数字は低いと見えるグラフを示すだけである)、一般人は自分でガイガーカウンターを持って測ったりしているようだ。文部科学省の数字だと、最近は新宿区で毎時0.07マイクロ・シーベルトの強さで推移しているように見える。個人の人はもっと高いというが。爆発当時は、0.5マイクロほどの強さが東京でも出ていた。
東京でも、当初10日間近くは0.5マイクロ、その後ここまで45日間は平均0.07マイクロとすると、ここまでの55日間の累計は、荒っぽい計算だが、195.6マイクロ・シーベルトほどとなる。このあと、また爆発や大きな漏れがなく、この程度であと10ヶ月ほど過ぎるとするなら、東京の1年間の累計放射能量は、716マイクロ・シーベルトほどと、1ミリ以下に収まることになる。ほんとかな?
しかし、税金を払っている政府が、なぜこういった痒いところに手の届くような情報サービスをしないで、それこそ、いたずらに、楽観論と、不安論の両極端を生み出しているのか。税金を返せと言いたくなる。今は少ししか払っていないが・・。
放射線は単位が複雑なので資料をみているとくらくらしてきます。多分、わたしの頭のなかに放射線が入ってきているのではと思います。最終的な結果は4-5年後の子どもの甲状腺癌発ガン率に表れるはずです。そのときに政府は一体どうするつもりなのか?自分は担当者でなくなっているからしらないとでもいうのか?
司法は今回の事件については疫学的因果関係を採用すべきだと思います。
尚、東京では7月上旬に計測器の商社に測ってもらった値は港区屋外で地上1m高で0.20とのことでした。尚、モニタリングポストは測定の目的が違い(核実験の影響度調査)、地上の影響を受けに食いようにビルの屋上とか高い所に設置してあるそうで地上生活の参考にはならないそうです。
ご参考まで。