カンボジアにおいて、タイ人またはタイランドのこととなると、ネガティブな反応をされる
(まあ、もともと隣国というのはあまり仲はよくないが・・)。
ことにここにきて、国境紛争において、タイは小国カンボジアに翻弄されている。
歴史的に見ると、少し前までの20年間ほどは、両国の関係は比較的良かった。
これには、政治家の努力があった。ことに、88年8月に首相になったチャチャイ第23代首相(チャティチャイ・チューンハバン)の力があげられる。チャチャイ氏は、華僑3世の陸軍大将。中国との関係を良くし、なおポルポト政権下にあったカンボジアの開発に努めた。
彼の「戦場を市場に変えよう!」の言葉は有効であった。
その後チャチャイ首相は、91年2月のクーデターで追われるが、彼のポリシーがその後20年近く、タイからラオス、カンボジア、ベトナムへの投資を促した。
タクシン首相のときまでは、カンボジアとの関係は比較的良好だった
(タクシンは追放後、フンセン首相からカンボジアの経済顧問に招致されている)。
現在の民主党政権下では、党員、黄シャツ隊メンバーのカンボジア領への侵犯事件も起こしたりして、カンボジアとの関係を悪化させた。そして、現在の国境紛争、民主党政権から妙案は出てこない。
98年になくなったチャチャイ元首相が惜しまれる状況になっている。