人気ブログランキング | 話題のタグを見る
インド成長の鍵を握る西ベンガル州コルカタの再興
インドは広い。
日本の9倍近い328万平方kmの国土に、
日本の9倍強の12億の民が住んでいる。
要するに、日本を9つ集めたようなものだ。

そのインドの東のほう、バングラデッシュに
近いところに西ベンガル州がある。
西ベンガルというからには、東ベンガルは?と
探せば、バングラデッシュ(ベンガル人の国)の
中に組み込まれている(東ベンガルという名は
バングラデッシュにはないが・・)。

本題から外れるが、バングラデッシュというのも
面白い国である。1947年インドから離れて
東パキスタンとして独立したが、西のパキスタンと
そりが合わず、1971年にインドの力を借りて
バングラデッシュとして独立した。

しかし、昔日のガンジス川沿いの黄金のベンガルの
面影も薄れ、今は人口過剰(日本の4割以下の土地に
1億5千万人が暮らす)から貧困国に挙げられる。
国旗は、緑地に日の丸。なぜか旗竿よりに赤丸は寄る。

バングラデッシュは、インドの東側だが、
バングラデッシュの東側は、ミャンマーでなく、
またインドだ。インドに囲まれた回教国なのだ。

本題に戻る。

インドは広い国で、他民族、多言語の国である。
インドには28の州がある。1州平均4300万人だ。
西ベンガル州もそのひとつだ。
ダージリン紅茶の産地でもある。

インド成長の鍵を握る西ベンガル州コルカタの再興_d0159325_18461717.jpg

8万9千平方kmの土地に、人口は9000万人を数える。
州都コルカタ(旧名カルカッタ)は、近郊も含め1500万人。
ムンバイ、デリーに次ぐインド3位の都市である。
コルカタは、インド独立の波乱万丈の英雄チャンドラ・ボースの
出身地でもある。

しかし、かつての英国統治時代の繁栄は今はなく、
ムンバイ、デリーに大きく引き離されている。
カルカッタといえば、スラム街で奉仕するマザー・テレサの
姿が眼に浮かぶ。

くどいようだが、インドは広い国だ。
インドの政党といえば、中心となってきた国民会議派と
右派の人民党が国政の舞台ではよく出てくるが、
この西ベンガル州の第1党は、34年の長きに渡って
共産党(マルキスト)だった
(あと南部のケーララ州と東部のトリプラ州が共産党政権)。

共産党政府は、制限的な経済政策、強権的規則、
ストライキの支持などにより、多くの企業の州外退去を
招いた。50年前のインド第一の一人当たり所得を
誇った州の面影はない。
インド最大の商業銀行「インド・ステート銀行」も
本店をコルカタからムンバイに移している。

2009年の世銀のレポートでは、
18のインドの都市の中で、コルカタは
ビジネスのやり安さから見ると、最低にランクされていた。

その西ベンガル州に転機が訪れた。
先月5月の選挙で、州の経済を再興させるのを旗印とした、
国政の国民会議派に近い、
若い層の支持の高い「トリナムール・コングレス」(草の根会議派)が
共産党を破って第1党となったのだ。

インド成長の鍵を握る西ベンガル州コルカタの再興_d0159325_18472366.jpg

もっとも、党首で今度の州知事となった
ママタ・バネルジー女史は、
かつて工業プロジェクトに反対したり、国鉄の
労働者寄りだったりで、企業は警戒的ではある。

西ベンガル州の「シングール騒動」は記憶に新しい。
2008年にタタ自動車が、新しく20万円カー「ナノ」の
工場をコルカタの北のシングールに計画した時、
バネルジーは農民の先頭に立ち、土地の強制収用に反対した。
結局、タタの工場は、インド西部のグジャラート州に行った。
共産党政府のやり方は、農民とのネゴもせず、
強制的に土地を取り上げる強権的なやり方だった。

バネルジー知事には、強い片腕が来た。
米デューク大学を出たエコノミストで、
西ベンガル出身、母親のおじがあのチャンドラ・ボースだった
デリーでロビイストをやっていたアミット・ミトラである。
彼が、西ベンガル州の新財務相となってこの州の
財政を見ることになった。

州の債務は2兆ルピー(450億ドル)と、この国の
州の中で最大であり、これの解決も望まれている等
課題は多い。早速、新政権は、今月、州の支出を止めると
同時に、中央政府からの援助を引き出そうとしている。

ミトラ財務相への期待は大きいと
ニューヨーク・タイムズ紙は見ている。

インドの地方の中で経済的に一番落ち込んで
しまった西ベンガル州。
今後インド全体が成長軌道に乗リ続けられるかどうか、
この州の再興にかかっていそうだ。
by ucci-h | 2011-06-23 18:48 | 中国・韓国そしてインド | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
by バンディ
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
検索
最新のコメント
http://dokob..
by qcbiomukb at 19:07
http://dokob..
by uhqtqqssd at 19:07
http://dokob..
by hljwvkesk at 19:03
http://dokob..
by ujbolnbdg at 18:58
http://dokob..
by hruvmoosz at 18:57
http://dokob..
by ylgtidjtu at 18:57
http://dokob..
by uzfymkslu at 18:54
http://dokob..
by wvbagbsfs at 18:52
http://dokob..
by dadmegsga at 18:51
http://dokob..
by tzmrmpkin at 18:51
http://dokob..
by dolwkdkpa at 18:45
http://dokob..
by jfkbjdbyr at 18:45
http://dokob..
by umyqdqzmx at 18:45
http://dokob..
by xowkvtxhv at 18:35
http://dokob..
by gcxtymwty at 18:33
http://dokob..
by rejwocooh at 18:27
http://dokob..
by cuakiiymh at 18:26
http://dokob..
by njpleepxz at 18:26
http://dokob..
by fsvbbbsyo at 18:15
http://dokob..
by bugpsbocf at 18:09
ブログパーツ
最新のトラックバック
ライフログ
ファン
ブログジャンル
海外生活
時事・ニュース
画像一覧