早くも足の速いタイ企業は、国外脱出を始めた。
すでに、中国などで電子部品の製造を行なっている
「ハナ・マイクロエレクトロニクス」社である。
タイで10000人、中国の嘉興(ジャーシン)市で2000人を
雇い、プリント・サーキッド・ボード等を作っているが、
従業員はみな法定賃金以上である。
最低賃金が、タイで大幅に引き上げになると、
労賃が6~8%を占めるこの会社も、マージンが薄いため、
タイではやっていけないという
(と言っても、対売上げネット・マージンは13%ある)。
CEOは、今週ベトナムを訪れ、工場を探す予定だ。
ベトナムの最低賃金は、今でもタイの半分以下だ。
中国でも、嘉興のほかにも、場所を探すという。
中国も最低賃金を引き上げているが、5年かけての
緩やかなやり方だ。
タイに留まる企業は、政府に対し、社会保障税の3年免除や、
雇用者一人当たり1日40~50バーツの政府からの
直接補助金などを見返りに求めている。
この会社の今年上半期の純利益は、すでにバーツ高に
よる売上げ減で、20%減益となっている。
コスト競争力が低く、マージンの薄いタイ企業は、
このままだと、国外脱出を余儀なくされそうだ。