お伝えしたが、改革がまとめてあれこれ出てくることから、
逆に、怪しいとの見方も出てくる。
「ビルマで急速に進む改革路線は本物か芝居か 2011-8-24」
http://uccih.exblog.jp/14411859/
改革の方向を国際社会に見せることが、
今の軍を中心とした権力者たちの地位を固めることにつながる
と見る向きもある。
1988年の学生たちへの圧制以来、ビルマには国際社会からの
経済制裁が続いており、これが国内の経済成長を難しくしている。
経済制裁が取りやめられる兆しは今のところない。
2100人の政治犯の解放などがないと、制裁は取りやめにくい。
ロンドン東洋アフリカ研究スクールのマイケル・チャーニーの
見方は厳しい。
「今起こっていることは、体制が、自分たちを正当な、まぎれもない
民主主義へ向かっていると見せようとしていることだ。
しかし、自分は、民主主義への前向きな前進だとは見ていない。
今権力を持っている連中が、自分たちの富・地位を固めるために、
長期コントロールを狙って、とっている手段に過ぎない」と見る。
彼の見方によれば、軍権力の体制固めは、2009年末より、
着々と進められてきているという。
まず、2009年末に、国有資産が、私有化の名の下にオークションに
かけられ、多くの財産、独占的権利、契約が彼らの手に渡った。
そして、そのあと2010年秋には、民主主義の体裁を整えるために、
総選挙が行なわれ、民政移管をはたした。
ちょうど、東南アジアでは、かつてインドネシアやタイで取られた
軍中心の権力への富の集中に似ている。
政治とビジネスと軍が縒りあっている状況だ。
この改革の動きは、テイン・セイン大統領自身の考えに基づくものなのか、
タン・シュエ将軍からの依頼なのかは不明だ。
急速な改革路線を見せている最大の目的は、
ハーバード大学のウイン・ミン政治学教授によれば、
2014年のアセアン会議の議長国になることである。
アセアンの議長国になったら、国際社会から認められたことになる。
そうすれば、経済制裁の撤廃の日も近くなる。
むしろ国際的な援助を引き出せるかもしれない。
そして、翌年の総選挙も有利に持っていくことができるからだ。
ビルマは、また、この10月にIMFの代表団を招待している。
急激な通貨チャット高にアドバイスをもらうためだ。
政府は、輸出税を引き下げたり、農業ローンを約束したり、
農産物の価格保証を言明したりしているが、経済への
打撃は大きい。
経済的不満が、1988年の、そして2007年の流血に
つながったことを憶えているからだ。
ビルマ政府の意図は、他にあっても、民主化、開放、改革
路線が進められることは、変わらないよりいいことだ。
意図と違った結果が出てくるかもしれない。
人間の歴史は、思惑はずれと、やりそこないの歴史であるから。
それに期待するしかないですね。
私もビルマ政府は嘘くさいと思います。
我が家のメイドさんはビルマ系タイヤイですが、彼女曰く「ビルマ人は嘘つきで約束破りだ。スーチー派も似たようなもの。我々に対しては嘘をついて従わせようとするだけだ」という事です。多民族国家って難しいですね。力こそ正義なのかな?
(中東・北アフリカのように)外の圧力を受けて早急な民主化クーデターでもすれば、変な傭兵が手助けにやってきて破壊しまくり、終わってみれば中央銀行が出来上がって前よりひどかたりする。