窮地に立たされる独メルケル首相
先日、ジョージ・ソロスの言葉を引用して、
ドイツがユーロ救済に後ろ向きなことを紹介したが、
ドイツの混乱は、任期6年目のメルケル首相の
辞任近しのうわさにまで広がっており、
ユーロ圏救済の問題は、ますます困難さを増している。
 「ドイツはなぜユーロ圏を救わないのか 2011-8-25」
  http://uccih.exblog.jp/14420726/

メルケル首相は、2005年の総選挙で、
CDU(キリスト教民主同盟)が僅差ながらも勝って
政権を取ったとき、初の女性首相となった。
その手堅い手腕で、2009年の総選挙も勝ち抜き、
第2期メルケル政権を続けてきた。

しかし、その評価も、今年3月の福島原発事故のあたりから
変わってきた。原発事故のあと、それまでの原発支持を
変更、世論の原発への怖れに呼応する形で、
ドイツでの原発廃棄に180度転向した。
それはまだしも、数日後、国連でのリビア攻撃決議に対して
反対した。今のカダフィ脱出の状況を見て、その判断が問われている。

そして、ユーロ圏の財政危機に対する、断片的なアプローチだ。
前回も紹介したように、ドイツの世論は、ユーロ債の発行反対に見られるように、
EUが共同して負担して、財政危機の国を救うことに反対している。
それぞれの国の財政規律を損なうというのが言い分だ
(すでにそういった段階は過ぎているが・・)。

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ユーロ圏の危機は新しい段階に入っており、
すでに共通通貨を救うかではなく、
ユーロ圏の国債のデフォルトにより、債権者である欧米の銀行システムが
マヒしないかという所まできている。

救済のための手段である「EFSF」(欧州金融安定ファシリティー)の
拡大に対しても、ドイツ国内からの反対は強い。
すでにメルケルの率いる与党CDU(キリスト教民主同盟)の
支持率は30%と低迷しており、議会を解散して、2013年秋予定の
総選挙を前倒しで行ない心機一転を図ることも難しい。

メルケル首相は、かつて自分を支えてくれた前ヘルムート・コール首相
からも、外交に方向性が欠けると批判されている。
9月23日に議会で、EFSF拡大案への投票が行なわれるが、
仮にこれを通せたとしても、ドイツ経済の低迷という要素が待っている。
8月の景気信頼指数は、リーマン・ショック以来の落ち込みを見せ、
ドイツ国内では、リセッションのリスクが増大している。

折りから、ユーロ圏の危機に対して、ドイツ銀行は、
「欧州の国債危機は、弱小銀行を倒すおそれがある」と言っている。
IMFのラガルド総裁は、8月、欧州の銀行の強制的な資本充実を
唱えたが、政治の無力化を示すことになるとの反対意見があり、
実現に至っていない。
IMFは、欧州での貸し手の資本不足は、2000億ユーロにのぼろうと
見ている。
すでに、バークレイズ、HSBC,UBSなど欧州の大手銀行は、
嵐に備えて、数万人のジョブ・カットに入っている。

欧州の国債のデフォルトはやってくるのか?
やってくるとしたら、どんな形で来るのだろうか?
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by ucci-h | 2011-09-08 20:18 | 日本・米国・欧州 | Comments(0)
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