ビルマの石油ガス・パイプラインの建設はもっぱら中国のため!?
この前、ビルマにおける改革路線の推進は、
現軍事政権(表面的には民政移管)の既得権者の
利権固めにプラスに働くから、彼らが積極的に進めている
のかもしれないという趣旨のことを書いた。
 「ビルマの改革路線は現権力者の体制固めか 2011-9-1」
  http://uccih.exblog.jp/14471978/

これの裏側が、西側による長期にわたる経済制裁である。
つまり、西側に頼れなくなったビルマで過去何が起こったか?
中国への接近、ないしは中国からのアプローチの
受け入れである。
これが今、実ろうとしている。多くは中国のために。

今年の6月から、ビルマを縦断する石油・ガスの
パイプラインの工事が、中国のリードで始まった。
完工は2013年の予定である。

ビルマ沖の天然ガスを年間1200万㎥中国に運ぶ
2800kmの天然ガス・パイプラインと、
中東やアフリカの石油2200万トンを、これも中国まで
運ぶ1100kmの石油パイプラインである。
合計3900kmという長さは、米国南部のテキサス州から
カナダのアルバータ州までの距離と同じだ。
中国の増大するエネルギー需要を賄うためである。

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これが、ビルマの発展に大きく貢献するなら良いだろう。
しかし、ビルマ政府には、今後30年間、年10億ドルしか
落ちないと伝えられる。
計画線上の数千の人が立ち退きに遭い、多くの農産地を
つぶすにしては、ビルマの受けるメリットは小さすぎるようだ。

この工事には、中国の国立石油公社、インドのONGCビデッシュ社、
そして韓国のデーウー・インターナショナルが関わっていると言われる
(インドの会社まで加わっているのは面白い)。

工事を進めるに当たって、労働者の人権侵害があると人権保護団体は
言うので、政府は9月に入り、15人からなる国家人権委員会をつくり、
人権侵害の調査に乗り出すという。同じような話が2000年にもあったが、
そのときは何の効果もなかったようだ。

このパイプラインは、中央政府への反乱軍の多い
カチン州やシャン州を通る。
騒乱に巻き込まれるおそれもある。

日本では、「新しい新幹線が出来たが、その村は素通り、
何のメリットもなく、かえって寂れた」という話があるが、
このビルマのパイプラインは、もっと国家規模の話である。

ビルマが、中国にうまく利用されるだけでなく、
はやく門戸を開いて、自国の発展のための経済開発を
広げて欲しいものだ。
ビルマへの観光客も今年は増えているが、タイへの
観光客数の50分の一に過ぎない・・。
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by ucci-h | 2011-09-09 12:34 | ミャンマー・ラオス・カンボジア | Comments(0)
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北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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