(1位はダントツでブラジル)、国内のサトウキビ畑が
限られてきたため、お隣のカンボジアなどでの生産を
増やしてきている。
「タイにおける砂糖の生産事情 2011-8-12」
http://uccih.exblog.jp/14336080/
昨年10月、カンボジア南西部のサトウキビ・プランテーション
で生産された砂糖1万トンが初めて英国向けに出荷されたことを、
9月5日付のバンコク・ポスト紙が報じている。
カンボジアは、EUと「貿易イニシアティブ協定」を結んでおり、
関税フリー、最低価格保証でEU向けに砂糖を輸出できる。
この2万ヘクタールに及ぶプランテーションは、
カンボジアの上院議員であり実業家のリーヨン・パット氏が開発したもので、
2006年にタイの「コン・ケーン・シュガー」(KSL)と台湾のビウォン社が
パートナーを組み、出資している。
昨年には、KSLは、リーヨン・パット氏から持分を買い取り、
今では70%のオーナーになっている。
それはいいのだが、そこに土地を持っていた12000人の村民が
不法に追い出され、ホームレスになったり、食うものもなくなったと
騒ぎ、人権団体のNGOも、「不法な土地収用だ」と問題視している。
当のリーヨン・パット氏は、もちろん、「合法的な土地収用であり、
ちゃんと補償をしている」と言っている。
しかし、そこはカンボジアのこと、議員には法律を超え、自由に動かせる
力がある。
砂糖の買い手である欧州議会のウィルクストローム議員(スウェーデン出)が
今年はじめ、真相究明にカンボジアに赴いたが、帰ってからの報告は、
「ブラッド・シュガー」(血のさとう)というものだったから、
かなり強引な収容だったことは間違いないだろう。
今やKSLがこの収用地の70%の所有者なのだから、非難は
KSLにも及んでくる。「不法に収用された土地から利益を上げている!」と
言うのが、その言い分だ。
KSLも、「カンボジア政府から合法的に譲られた土地で、
住民はきちんと補償されている」とプランテーションの正当性の
弁護に躍起だ。
ドイツ銀行の投資ファンドは、昨年までKSLの株式2.15%を
所有していたが、すでに売却した。主な理由は、財政的理由だが、
カンボジアでの騒動も一因であることを認めている。
EUも、カンボジアに対する貿易の優遇条件を見直さざるを
得なくなっている。「優遇措置がカンボジアでの土地の不当買収と
人権侵害を招いている」との非難に応えなくてはいけないからだ
(「そんなこといわれても・・」と言ってはいけないのだ)。
輸出品の8割が衣料品だというこの国の
貿易品目の拡大は急務だ。砂糖産業も候補のひとつだ。
衣料品工場も、サトウキビ・プランテーションも、おそらく、
労働条件はなお劣悪なのだろう。
「カンボジアの現代版女工哀史 2011-8-25」
http://uccih.exblog.jp/14420640/
と言って、カンボジアからのものを買わなければ、
カンボジアの労働者はいっそう困窮することになる。
ビルマに対する経済制裁と似ている。
カンボジアでの開発・生産状況をチェックしながら、
生産拡大に持っていくいい方法がないものだろうか?
カンボジアは、これからの百年間で様々な紆余曲折を経験しながら徐々に、自由で民主的な世の中を構築してゆくのでしょう。
問題が根深くて、インスタントには解決できない気もしました。