タイ学卒公務員の給与引き上げ案の波紋
タイ貢献党の公約は、ポピュリスト的政策ゆえ
分かりやすいことが第1だが、
具体的な執行となると、数々の問題が浮き上がってくる。

・ガソリン価格の引き下げは、エタノール混合ガソリンの
拡大に逆行する。
・コメの買い取り価格の引き上げは、タイ米の
輸出に響きかねない。

・車の初回購入者への税還付は、タイへの自動車輸出国との
貿易摩擦を起こしかねない。
・最低賃金の大幅引き上げは、まだ決まっていないが、
外国人の雇用をいっそう増やしかねない。

・住宅の初回購入者への税還付も、まだ確定してはいないが、
金持ち優遇につながりかねない。
・そして、学卒月給15000バーツへの引き上げは、
これまた、職業学校生を差別しかねない。

最大の問題、インフレ加速以外でも、それぞれ
大きな副作用を発しかねない。

まあ、いろいろな問題が出てきた結果、政策を修正して
落ち着くべき所に落ち着かせるのが、タイ政府のやり方だろうから、
そう驚くことに当たらないが、何のための政策か、
だんだん分からなくなる。

最後の学卒月給15000バーツに対しても、
インラック首相はじめ、各方面から、疑問と批判が出てきた。

インラック首相は、9月20日記者会見で、以下のように
言っている。
「新しい給与パッケージが、学卒だけをカバーするものに
ならないよう意を払ってもらいたい」
「職業学校卒業生のことを考えていなかった。
もう一度広い視野で見直すべきだ」

その通りであろう。

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政府は、この学卒15000バーツを民間企業に強制することは
できないので、公務員に対して行なうことを明言している。
公務員の学卒以上は、来年1月より15000バーツ以上。
学卒未満は、その6割の月9000バーツに持っていくように
示している(これまたずいぶんの差であるが・・)。

これにより、政府の支出増は、今年10月からの2012年度が
+180億バーツ、来年度が+245億バーツと見積もられている。
財政赤字が3500億バーツの政府予算の国においては、
負担となろう。

政府職員65万人が対象になるようだが、
うち学卒以上は、35万人と半分以上を占める。
具体的な方法としては、4年間かけて、政府職員の給与ベースが
月15000バーツに達するようにもって行くという
(来年1月に引き上げるのではなく、4年かけて引き上げていくという
ことだろうか?)。

現在、政府職員は、5~6年働いて、11000~13000バーツほど
だから、「国の財政に影響しないか」という健気な声や、
「15000バーツもらえる新卒者がうらやましい」といった声が聞こえる。

タイの公務員の数は、中央、地方、さらに公企業あわせて、
300万人ほどになるから、これが全般的な公務員給与体系の
引き上げにでもなると、大変な負担になるが、
政府は、いかに公約を守り、不平等をなくし、過度な財政負担を
避けることができるのだろうか。
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by ucci-h | 2011-09-22 09:49 | アジア諸国の賃金 | Comments(0)
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北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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