ゲッコーと言っても、月の光ではない。
そう、メーリムのグリーンバレー・ゴルフ場に行くと、
東屋の天井近くに卵をいつも数個抱えている
あのトッケイ(Tokay)君のことである。
「Tokay Gecko」は、日本では、「オオヤモリ」と呼ばれる
とかげの仲間だそうだ。名前の由来は、その鳴き声。
“とっけー”、“げっこー”と聞こえるからとか・・。
この体は30センチと大きめだが、東南アジアに棲む愛らしいトッケイが
ここ数年需要が多く、捕獲が進み、へたをすると絶滅の危機にあるという。
トッケイは、虫や昆虫を食べ、虫害を防いでくれる生き物であるが・・。

トッケイは、古くから中国では乾燥されたものが咳止めの漢方薬、糖尿病、
喘息、皮膚病、がんの薬として売られていると言うが(トッケイ・ワインもある)、
最近ではHIVの治療に効果があるという噂から、捕獲がすすんでいる。
トッケイの舌と内臓がHIVの特効薬だと言う話である。
これには根拠がなく、人をたぶらかす話のようで、
フィリピン政府も7月に、エイズやインポの特効薬として服用すると
危険である旨、警告はしているようだが・・・。
保護団体「トラフィック東南アジア」によると、
1998年から2002年までの5年間の間に、アメリカに8.5トンの
乾燥ゲッコーが薬剤として合法的に輸入されたと言う。
最近では、マレーシアがトッケイのトレードの中心地になっている。
主な仕向け地は、中国だ。
最近では、1000頭のゲッコーをカンボジアからマレーシアに
もって行こうとした者が捕まったし、100万ドル相当のオオトカゲを
タイからマレーシアに密輸しようとしたカップルが摘発された。
トッケイ・ゲッコーは、各国で保護されている例が少なく、
このことが乱獲を止められないでいる。
早急に、絶滅する前に、保護条約を作る必要があると保護団体は
叫んでいる。


