タイの上場企業の業績の早期集計が載った。
今年は洪水の影響で、第3四半期決算の発表が
11月15日以降でもいいことになっているが、
大企業中心に大半は出揃った。
しかし、そのタイトル「9ヶ月の増益率は2.4%に
過ぎない」を見て、あれっと思った。
洪水の影響は大方第4四半期以降だし、今年の
9ヶ月でこれしか利益が伸びなかったかなあと思い、
タイ証券取引所の資料にあたってみた。
その結果は・・・。
9ヶ月では、25%の増収率で、22%の増益率であった。
なぜこんな間違いが出るのかと思ったが、日本の新聞でも
よく経済記事は平気で間違えるものなので、チェックが必要だ。
上場473社中、82%に当たる389社の9ヶ月集計は、
売上げが、前年同期比25.2%増の6兆2900億バーツ
(2040億ドル)、純利益が5119億バーツ(166億ドル)だった。
税引き利益率は、平均8.1%となる。
9ヶ月間で22%の増益であるが、年前半の増益率が32%で
あったのに比べると、第3四半期(7~9月)は売上高こそ30%の伸びを
維持したものの、増益率は5.1%に縮小している。
昨年の7~9月がバンコク動乱から回復した時期だったからか、
今年の7~9月にすでに、コスト高要因が忍び込んできたからか?
昨年第3四半期の利益率8.7%、今年前半の利益率8.5%から
見ると、この第3四半期の利益率は7.0%に落ちている。
この第3四半期の利益率が、仮に年前半並みだったら、
増益率は、5.1%でなく、28%になっていた。
タイ企業の業績に、コスト増要因が忍び込んできている。
第4四半期以降、洪水で売上げが落ちよう。
タイ貢献党政権のインフレ加速的ポピュリスト政策に
‘水がさされないと’、タイ企業の業績は当面、復興需要が
出るまで、落ち込んでいこう。