ビルマ最大級の臨海工業地帯が開発されそうだと
お伝えしたのは、昨年12月だが、それから1年、
その概要がだんだんはっきりしてきた。
「注目されるビルマのダウェイ経済開発 2010-12-8」
http://uccih.exblog.jp/12458702/
ダウェイは、ビルマの港湾と言っても、
ラングーンからよりも、タイのバンコクからのほうがよほど近い。
カンチャナブリを経て、バンコクの西300kmに位置する。
国境を越えた道路が完成すれば、バンコクから、南のマラッカ海峡を
経ずとも、インド方面への海路が開けることにもなる
(中国も当然ねらっている)。

(Global Asiaより)
このダウェイ開発を仕切っているのが、タイ最大の土木建設会社
「イタリアン・タイ開発」(ITD)だ。
1954年にチャオプラヤ川での沈没船引き上げに協力した
イタリア人ベーリンジェリとタイ人チャイジュット・カルナスータが
仲良くなって1958年に作った会社だ。
スワナプーム空港の建設や、バンコクのBTS(スカイ・トレイン)や
MRT(地下鉄)の建設にも携わってきている。
社名からは、イタリアとタイの合弁のように見えるが、今では
創業家のカルナスータ・ファミリーを中心に
株主も経営陣もほとんどみなタイ人である
(足元の業績、財務内容は必ずしも良くないが・・)。
ダウェイ開発は、インフラの建設と、
6つの優先的工業プロジェクトからなる。
インフラの開発に向けて、ITDでは、125億ドルの大型ローンを
予定している。
内訳は、港湾と道路の建設に35億ドル。
鉄道建設に20億ドル。
石炭火力発電(出力計4000メガワット)に70億ドルだ。
125億ドルのうち、港湾・道路建設(35億ドル)については、
日本の国際協力銀行(JBIC)に、鉄道建設(20億ドル)については、
中国の銀行と話をしている。
ITDは、ビルマ政府から、25600ヘクタール(256平方km)の
土地を75年間、譲り受けている。25600ヘクタールといえば、
真四角にすれば、16km四方の広大な土地だ。
ここに以下のような工業団地を作る予定だ。
・港湾施設 976ヘクタール(全体の面積比3.8%)
・発電所 368ヘクタール(1.4%)
・製鉄所 2200ヘクタール(8.6%)
・石油・ガス施設 1392ヘクタール(5.4%)
・石油化学コンプレックス 2755ヘクタール(10.8%)
・肥料プラント 384ヘクタール(1.5%)
製鉄所については日本の2社、中国の1社と協議している。
発電所については、タイのラチャブリ発電が30%出資の予定だ。
ITDは、6つの優先工業プロジェクトの資金を得るため、
来年、全体の3割にあたる8000ヘクタール(ほぼ9km四方)
の土地を売却する予定だ。
ITDは、ダウェイ開発のインセンティブを得るため、
ビルマ政府から、最初の5年間の法人税免除、
その後5年間の15%低税率を獲得している。
タイの財務相、運輸相、エネルギー相は、来年連れ立って
ダウェイを訪問する。
ダウェイ開発は、タイのベネフィットが大きい。
そして、これに中国が続くことになる。


