バトンを受け取ったカンボジアである。
さっそく、1月10日よりアンコールワットのあるシェムリアップで
今年の議題を決めるアセアン外相会議が開かれた。
タイとの国境紛争が、インラック政権が出来たことから落ち着き、
ミャンマーでは開放路線が進み、
南シナ海の中国との共通の領海問題があるが、
カンボジアも成長への道を辿ろうとしている。
タイから見ると、2003年1月のタイの女優の発言問題、
タイ大使館襲撃事件でタイ・カンボジアの関係がこじれて以来、
カンボジアの市場は、中国、ベトナム、マレーシアなどに
食い込まれてしまったことになる。
「小国カンボジアに操られるタイランド 2011-2-13」
http://uccih.exblog.jp/12866207/
タイの企業はカンボジア進出に、政府の後ろ盾もなく
消極的で、現在でもカンボジアに進出しがんばっているのは、
大手のCPグループや、サイアム・セメントくらいである。
しかし、カンボジアの事業環境にも問題は多い。
以前見たように、カンボジアでがんばっているのは外資系の衣料産業くらいである。
カンボジアの課題は、税制等の改革もあるが、民主化にありそうだ。
フンセンの率いる人民党(CPP)は強権政治を行ない、
司法や裁判所も政権の下に置き、言論の自由も抑えているようだ。
「カンボジアの強い首相 2011-2-5」
http://uccih.exblog.jp/12820012/
一番の証拠は、最高裁の裁判長ディット・ムンティーが
人民党のトップクラスの人間だということだ。
昨年は、「国際婦人デー」の100年祭が世界中で祝われたが、世界で
これを禁止したのは、アフリカのジンバブエとカンボジア2カ国だったそうだ。
経済面でも、政権に近い人間の土地の収用が多いといわれる。
政治力の強いものが経済利権も手に入れるという
後進国の伝統から抜け出ていない。
民主化という面で、一党独裁のベトナムにすら後れを取っていると、
そのうちミャンマーにも追い越されてしまうかもしれない。