(アメフトの決戦、スーパー・ボウルは、来週末だ)。
テニスのグランドスラム「全豪オープン」は、
金曜日の男子準決勝で、昨年の決勝戦の
ジョコビッチ(スロベニア)対アンディ・マレー(英国)戦が
再現された。
マレーは昨年の決勝で、英国の期待を一身に受けながら
完敗し、マスメディアにこっぴどくやられたものだ。
「あの感情的不安定さを、きちんとコントロールさせる
コーチが必要だ」とか。
そして、コーチをかつてのチャンピオン、イワン・レンドル(チェコ)にして、
いっそう強くなった。準々決勝では勝ち上がってきた錦織君を
寄せ付けなかった。今や、ジョコビッチに次ぐ実力者と見られる。
この戦いは昨年と違って、5セットの接戦となった。
体調の悪いと言われるジョコビッチが、第2セットあたりは足が
もつれるようで、見ていられなかったが、5時間近くの大接戦の末、
決勝に勝ち残った。
見ごたえのある試合だったが、5時間近くは長すぎる。
見ているほうも疲れるが、選手も疲れる。選手寿命を縮めかねない。
今どき3セットマッチの3時間半で十分だ。
最近のテニスの判定には電子判定が使われている。
どこまで正しいのか知らないが、解りやすくてけっこうなことだ。
しかし、逆の問題が出てきた。
判定に不服な選手は、1セットに3回までチャレンジできる。
チャレンジが3回失敗するともうチャレンジできない。
問題は、主審が、ナダルの言葉を借りれば、このシステムのせいで、
観客になってしまったことだ。
今回もそうだが、線審の間違った判定が多い。
昔なら、高いところから見ている主審が「オーバールール」で
判定を正したものだが、これがない。
線審の判定の正否を、選手のチャレンジと電子判定に委ねている。
オーバールールを下して、それが電子判定で覆ると主審のメンツが
保てないからだろう。
人間の判定なら最後まで人間の判定で。
電子判定を入れるなら、怪しい線審の判定には主審はダウトを
下し、選手のチャレンジを待たず、確かめて欲しいものだ。
今回も、選手がチャレンジを言うのが遅すぎたからダメだとか、
チャレンジを使い果たしたあと、電子判定で見たら誤審だったと
いうつまらないことが多すぎた。
女子の決勝は、土曜日に、シャラポア(ロシア)とアザレンカ(ベラルーシ)の
旧ソ連勢で戦われた。
話題は、ふたりの打つときの叫び声に集まった。
身長188センチと183センチの“大型スピーカー”同士の決勝になったからだ。
観客や、選手の中からも「あれは、うるさい」との声が出ている。
しかし、声を出すとボールに勢いが乗ると思われているから、
やめるわけにはいかない。
耳栓代わりに耳マスクを持ってきた観客も見られた(なかば冗談だろうが)。
新聞は、「スクリーム・クイーン」争いと茶化した。
結果は、叫び声の小さい方のアザレンカがグランド・スラム初優勝を飾った。
今週末のゴルフは、面白い現象が起きた。
アメリカのPGAは西海岸での第2戦、サンディエゴに下って、
ラホーヤのトーリー・パインズ・コースで、「ファーマーズ・インシュアランス・オープン」
が開かれている。
これも、先週と同じで、企業名になって興味が落ちた。
「農夫保険オープン」と訳しても面白くない。
昔のように、「サンディエゴ・オープン」とか、かつてホストだった
アンディ・ウイリアムズ・オープンとかの名が欲しいが、アメリカも
貧困大国だから企業名で行くしかないか。
石川遼君が予選を通ったが・・・。
今週面白い現象と言ったのは、同時にアブダビで、ヨーロピアン・ツアー
として、「アブダビ・ゴルフチャンピオンシップ」が開かれており、
2006年から始まったこの新しい大会にインドや中国などアジアの選手も
出場しているが、こちらにタイガー・ウッズが参加していることだ。
ヨーロピアン・ツアーは年初南アで3戦したあと、このUAEの
アブダビ他中東で3戦を行ない、寒い欧州で始まるのは3月半ばに
なってからだ。アブダビの賞金総額は270万ドル。ファーマーズの
600万ドルの半分以下だが、今や世界ランクトップテンのうち、アメリカ人は
2人しかおらず、上位4位まではヨーロッパの選手。
ロリー・マキロイ(北アイルランド)にマッテオ・マルセロ(伊)といった実力派の若手、
ルーク・ドナルドやリー・ウエストウッドといったランク上位の選手、
さらにガルシアやオラサバルに、タイガー・ウッズまで加わるとなると、
アメリカのツアーよりもこちらのほうが華やかに見えてしまう。
3日目を終わって、タイガーがトップ・タイに立った。
スポーツの季節は続く。
{追記}
1月29日(日)に行なわれた全豪オープンテニス男子決勝は、
ジョコビッチとナダルの対決となったが、フルセット、6時間近くの
長い試合となった。疲れで足がふらふらのジョコビッチが、よく接戦を
制した。それにしても可哀想に長すぎる。
それにしても誤審が多すぎる。ラインの内側なのに「アウト!」の
コールはひどかった。