山岳部の山国である。
人口は640万人しかいない。
人口の27%が一日1ドル以下で暮らしているという。
従って、アジアでは、東チモールに次ぎ、ビジネスのやりにくい
国だと世銀には評価されている。
1975年に左派パテトラオがリードする内戦の結果、
王制が廃止され、以来社会主義の一党独裁国で来た。
タイからメコン川を渡り、ラオスのホワイ・サイの街のホテルに泊まると
今はなつかしいマルクス・レーニンの肖像画が飾ってある。
ラオスでは1977年、友人の日本大使館書記官夫妻が反政府派によって
殺害されるという忌まわしい事件もあった・・。
それでも、今や同じ一党独裁のベトナムに負けない経済成長をしている。
過去5年GDPは年平均7.9%と高い伸びを示してきた。
ラオスの政治経済体制は、ビジネスをやるには、なお腐敗、行政の非効率など
多くの問題が残っているようだが、タイ始め周囲のアセアン諸国の経済成長に
引っ張られている感じだ。
もっとも、GDPは75億ドルしか生産されておらず、世界182か国中、
137位ほどにある。
一人当たりのGDPに直すと、一人1200ドル弱。世界179か国中143位にある。
アセアンの4貧国「VLCM」のひとつだが、
それでも、一人当たりGDPは、カンボジア、ミャンマーに優っている。
今や、首都ビエンチャンへ行くと、日本車が走り、
ショッピング・モールが建設され、携帯電話ショップが並び、
モダンなコーヒー店があり、昔の“眠った街”の印象はない。
まるでタイの街のようになってきている。
19の商業銀行が活動し、携帯電話の5社で契約者数は、
人口を上回る1000万人に達している。
国営ラオス航空は、8機のプロペラ機だったのを、
最近2機のエアバスA320(1機4600万ドル)を購入した。
ラオスの高成長の要因は、タイなど外国への電力販売だ。
山と大河を抱え、水力発電の条件は整っている。
ラオスは、「東南アジアのバッテリー(電池)」を目指している。
先の話だが、2025年には28,000メガワットの発電をし、
インドシナ半島の需要の8%を供給すると意気込んでいる。
うち半分の13,500MWを2015年までに近隣3カ国に
提供することを約束している。
タイに7,000MW、ベトナムに5,000MW、カンボジアに
1,500MWだ。
ラオスは、“百万象の国”ならぬ“50ダムの国”と呼ばれるように
なりつつあるようだが、現在は1600MWを発電、9割をタイへ売っている。
今後、メコン川流域で多くのダムを建設する予定だが、
反対も多い。環境を破壊し、多くの住民の立ち退きをもたらす。
先月もサヤブリ・ダムの建設に対し、メコン委員会から待ったがかかっている。
「下メコン川初のサヤブリ・ダムのゆくえ 2011-12-10」
http://uccih.exblog.jp/15087917/
発電に加えて、金銅の非鉄鉱山がこの国の資源だ。
2つの鉱山からの輸出額は、2011年あわせて15億ドル強に
のぼった。
電力・非鉄への外国投資がラオスのGDPの半分を生み出している。
ラオスに対しては、隣国3カ国からの投資が多い。
過去10年で、ベトナムが27.7億ドル、中国が27.1億ドル、
タイが26.8億ドルと、3カ国が拮抗している。
中国は、70億を投資して、タイと中国を結ぶラオスの高速鉄道を
建設する。
「ラオスの高速鉄道、着手延期 2011-5-6」
http://uccih.exblog.jp/13522435/
ラオスは、今後5年間、年平均8%の経済成長を目指しているが、
うち半分強は、外国からの直接投資で達成できることを期待している。
通信、観光、金融、農業といった分野への投資を期待している。
ラオスには、2011年1月、韓国証取の協力で、ラオス証券取引所(LSX)ができた。
上場株式は、まだ「ラオス外国商業銀行」(BCEL)と、「ラオス電力開発」(EDL-Gen)
の2社だけだが、インターネット・携帯の「ラオス通信」(ETL)と、
キャッサバ・タピオカの「ラオ・インドチャイナ・グループ」(LIG)の2社の
上場が、今年予定されている。
「証券取引所の開設で弾みをつけたいラオス経済 2011-1-16」
http://uccih.exblog.jp/12703366/
その後、「ラオス航空」と「ラオス・ビア」(ビア・ラオはデンマークのカールスバーグ社との
合弁だが、とてもうまいビールだ)、多角化企業「ラオ・ワールド・グループ」の上場も
計画されている。
農業、鉱業、発電業にたよった現在のラオスの産業の体制から、
次第に、工業、観光と産業の幅が広がってほしいものだ。
技術指導で出向している期間指導員?の日本女性は、日本NPO?からスズメの涙のような報酬をもらっているだけです。なのに、ベンツEクラスに乗る事業主がいます。
見せてくれたフェアートレード系のカタログには、「適正な価格で買ってあげる」的な、お涙ちょうだい商売文句。
でも、その傍らで息子に本田ミニバンを買い与えている事業主。
なんなんでしょうかね。これが社会主義の理想のなれの果てなのでしょうか。贅沢が悪いとはいいませんが、貧富の差は天地ほど離れています。
ならば、まず極度な富裕層を多数作ることは、案外肯定されるべきなのかもしれません。もしそうならば、百歩譲ってラオの成金たちにも意味があるんじゃないか、なんて考えています。
くんたれさん、フェアートレードって言いますが、フェアーじゃないトレードってあるんでしょうかね? あるとすれば、それはトレードじゃなくて「強奪」っていうんじゃないですかね。 それに、不当な価格(現地価格以上の)で買わされる買い手にとっては、アンフェアーだと思うのですが。
ともあれ、スタバのコーヒーが120Btですんなり飲める人にとっては許容範囲なのでしょうね。
例えば、ずるがしこいタイ人が数字のわからないクメール農民から米を時価の1/3で買うようなことも結構あるようです。基礎教育っていうのは大事ですね。
頭で負けるのはしょうがないと思ってましたが、心の位置まで違うことを思い知りました。いや~まいったまいった
ミャンマーの民心がアメリカやシナに汚されるのはいやですね。