行なうことは、日本始め各国で見られることだが、
タイも例外ではない。
タイ貢献党政権の経済政策の発信元になっている
キティラット副首相兼財務相が、3月末になって、
「バーツを現在の1ドル=30バーツから、32~34バーツに
(10%ほど)切り下げ、また金利も下げて、輸出業者や
中小企業を助け、経済を伸ばすべきだ」と政策提言したが、
これは、予想通り、中央銀行や経済界からはねつけられたようだ。
経済と言う生き物は単純に、Aを行なうとBが生じるわけではなく、
予想もしないCやDやFが出てくるものだ。
中央銀行のプラサーン総裁がきちっと反駁している。
「為替は、経済のファンダメンタルを反映しているもので、
これを操作しようとすれば、投機を招くだけで、市場介入すれば
コストがかかるだけだ。1ドル=33バーツに人為的に持っていっても、
投資家は、1ドル=30バーツが自然の価格だと思えば、そこにまた
戻るだけだ」と言っている。その通りだろう。
さらに、「原油価格が上がっていて、賃金も引き上げられ、国内景気が回復している
このときに、バーツを安くしたり、金利を下げたりするのは、インフレを
招くだけで何のプラスにもならない。
97年のアジア危機のとき、固定為替にしがみついていて
通貨危機を招いたことを知らないのか。今のタイの実質金利は
アジアの中でも低い方だ」と、取り合わない。
タイの中央銀行は健全である。
タイが為替で考えることは、むしろ外資の投機でバーツが上がること
ではないか?それとも、賃金アップや労働力不足でバーツへの
魅力はすでに薄れていると政治家は見ているのだろうか?まさか。
4月からの最低賃金の40%アップや、学卒初任給50%アップ、
コメ引取価格60%アップで、タイ経済はどうなっていくのだろうか?