4月10日付けのバンコク・ポスト紙は報じている。
チェンマイなどで、大学は出たけれど定職のない人や、
バンコクで大の大人が、昼間木の下で多く寝そべっているのを
見て、タイはあまり多くの人が働かない国だなと言う
印象を持ち続けてきたが、2010年12月に、労働力不足について
触れた。タイは労働力不足なのである。
「うそーっ!タイは労働力不足!? 2010-12-9」
http://uccih.exblog.jp/12470621/
タイの労働力不足は、以下のような点が原因だろう。
1.少子化が進んでおり、今や出生率は、人口1000人当たり12.8人と
縮んできている。まるで中国の一人っ子のように、子供を生まなくなった。
10年前の1000人当たり17人近くから、さらに下がってきている。
2.工場労働など、規則締めにされる仕事にあまり就きたがらない。
従って、職探しする人間も少なく、失業率は、2012年1月で、わずか
0.43%という世界の中でも極めて低い数字しか出ない。
3.穀物などの一産品の価格が高くなっているせいもあって、
工場からいなかの農家に戻る人も多い。一次産業回帰である。
4.タイ人は多く採用されても、あまり効率的に働くとか、
生産性を上げようとか努めないようだ。
3人で済むことを10人でやっているかもしれない。
つまり、その分、多くの人を雇っている形になる。
労賃が安いからかもしれない。
5.そして、ここに来ての隣国ミャンマーの経済開放路線である。
ミャンマー人はじめ200万人を超える外国人労働者をタイの産業は
使っているが、今後数年すると、ミャンマー人が自国に回帰することが
早くも懸念され始めている。
建設、漁業などのいわゆる「3K」職場をタイ人は嫌い、外国人労働者に任せている。
タイの食品加工産業は、全労働者の30%に及ぶ
数十万人のミャンマー人を使っているが、
すでに2万~3万人の人手不足だと言う。
賃金大幅引き上げが生じても、なかなか人が集まらないと言う。
工場経営者は、むしろ拠点をミャンマーに移すことを考え始めている。
電機産業や自動車部品産業も例外ではない。
すでに高めの賃金を提供しているが、なかなか人手不足は
解消しないと言う。
ミャンマーの経済開放が進むに従って、タイの人手不足は
どうなっていくのだろうか?
ラオスやカンボジアからもっと人を集めることになるのだろうか?
タイの企業の国外立地が加速されるのだろうか?
それとも、タイ企業の生産性がアップしていくのだろうか?
働かなくても食べてゆける状態なうえ、ウルサイ規則が大嫌いの自由人が多いです。
効率や生産性の向上に対する感覚が希薄なうえ、帰属意識も薄いので、雇う方としてもなるべくサブ要員を多くキープしておく必要があります。よって、会社としても有能な少数精鋭ではなく、適度な人員を多数用いる方法へシフトせざるを得ないのだと思います。
しかし、それは労賃が安いからこそ成り立っていたシステム。
ビルマが台頭してくると、ある意味温室育ちで、我が儘放題な、駄々っ子タイ人にも厳しい現実が突きつけられるのだと考えています。