その程度がどうなのかは知らない。
ただ、日本の子供なら多くが「世界文学全集」などに
目を通しているが、どうもタイ人を見ていると
あまり世界の文学を読んでいるように見えない。
それは、図書館の利用状況にも表れている。
以前、本をあまり読まないタイ人のことについて触れたが、
読書習慣が少ないように見える。
「タイ人は本を読まない!? 2011-1-31」
http://uccih.exblog.jp/12790194/
チェンマイの図書館は、セントラル・デパートのそばの四つ角に
あるが、あまり利用されていないし、蔵書も少なそうだ。
8月31日付の「GURU」のカバー・ストーリーで
タイ人の読書のことが載っていた。
ちょうど、2013年がユネスコにより、バンコクが「世界のブック都市」に
指定されたからだが(世界の都市を持ちまわっているようだ)。
GURUが調べた統計数字は面白いので紹介しておこう。
出所は、タイ国家統計局とユネスコである。
まず、本を何冊くらい読むかである。
過去半年での統計は以下のようになっている。
34%・・・1~3冊
25%・・・4~6冊
22%・・・7~10冊
12%・・・10冊以上
7%・・・ゼロ
まあ、本といってもカートゥーンや雑誌が含まれるのか分からないが、
平均すれば、半年で4~6冊、年に8~12冊ほどになるから、
悪い数字ではない。
1日平均、一人(6歳以上)何時間くらい本を読んでいるかとなると、
2011年には35分。2008年の39分より減っている。
コンピュータ・ゲームなどの影響もあるのだろう。
そして、余暇の時間に国民の何%が本を読むかとなると、
2011年で68.6%だ。3人にひとり近くは本を読まない。
「5人タイの作家の名前をあげよ」という問いに対しては、59%しか
答えられなかったという。
ショッピングセンターの名前5箇所は、99%が答えられたが・・。
「タイ国立図書館」(1905年設立)がどこにあるかを知っている人は、50%だったという。
従って、本の発行点数も、タイは13607点(2009年)と、
ベトナムの24589点やインドネシアの24000点と比べても、
それらの55%ほどと少ない。
そして、地元の図書館を利用した人の割合は?
2011年には、わずか14.2%だったそうである。
タイの教育省も読書の習慣づけに力を入れているようだが、
「世界こども文学全集」ではないが、読書の習慣は、
子供のころの家庭からだろう。
日本も今は、読書といえば雑誌やまんがなど手軽なものが多いが、
世界の文学を広く知っていることは、世界のトップクラスだろう。
もっとも東南アジアの文学は、日本では、歴史書や音楽、映画同様少ないが。
GURUはタイ人に本を読ませるための、冗談半分のアイデアを載せている。
1.「インテリジェント・サイン」と呼ばれる高速道路上の
大きなディスプレイに有名な引用句などを載せて、読書に目覚めさせる。
バンコクは渋滞が多いからちょうどいいという。
2.男子トイレの前の壁に、同様に読めるカード(張替え可能)を
貼り付ける。用を足しているときに読ませる
(映画館のトイレには、予告編の案内が張ってあるが・・)。
3.横断歩道のゼブラ・ゾーンの白い線の上に
「トワイライト・サガ」や「ハリー・ポッター」の名せりふを書いておく。
待っている間に読むだけでなく、もともと横断歩道を使わない人が
使うようになる(チェンマイの横断歩道は車は止まってくれないので気をつけよう)。
4.緑色の交通標識が数多くあるが、
必ず、最寄りの大きな図書館への案内標識を作ろう。
5.ツイッターの利用者は、必ず140文字以上を使うようにさせよう。
私の母親は、無学ですが私塾の先生から本だけは沢山読んどけと指導を受け、そのまま私に伝えてくれました。
片や、父親のほうは要領よくて頭脳明晰でしたが、まったく読書の習慣がなくて、晩年はテレビのワイドショー漬けになり、知力もへったくれもない状態でした。
翻って、私の知るタイの一般家庭では、やはり読書よりもワイドショーやバラエティー番組、メロドラマといった、知性よりも感情に訴える刺激を重視しています。
これでは、気品云々以前に、善悪の判断すら育とうはずもありません。そもそも、学校の先生自体の性根が腐ってる話も多数ありますから、家庭、学校とも、読書習慣を根付かせる機関としては弱く、期待できません。
その原因を私なりに考えたのですが、世界文学集を含め、思考の助けになる情報量が圧倒的に少ないからだと思えました。
おそらく、検疫による検疫で、出版できない内容が多すぎるのではないかと‥‥。世界の情報を手放しで自国民に紹介できない何かの力が働いて、国民をこのような知的レベルに封印しているのではないかと‥
情報鎖国にならないように祈るばかり。
電車の中でも本を読んでいるのは年寄りの一部だけ、あとは携帯化漫画ばかり。タイの国のことは言えないな。