ピーピー島、さらにマレーシアとの国境近くの
タルタオ島、またマレーシア領になるがランカウイ島と
なお自然の残る美しい島々が連なる。
一方で、タイの深南部、パッタニー、ヤラー、ナラティワットの
3県では9年前からのイスラム系の反乱がとどまらず、毎日のように
死人が出て、ここまで6000人ほどが亡くなったと言われる。
タイの一番南西部にあたるモスクが立ち並ぶサトゥンの街。
ここサトゥンからは、パクバラ桟橋からタルタオ島へ、
トゥンマラン船着場からランカウイ島へのフェリーが出ている。
開発が進む前に、一度ハートヤイから行ってみたいものだ。
このサトゥンの街の北西60kmにあるパクバラに
大きな深海港湾を作ろうという計画が10年前からある。
総額640億バーツ(現在はもっと高くなっていよう)の一大プロジェクトで、
マレー半島の東、タイランド湾側のソンクラ近くのジャナ港と
西側のアンダマン海側のパクバラ新港を道路、鉄道で結び、
半島を横断して物資を運ぼうという計画である。
2009年10月には国立環境審議会のゴーサインも
出たが、依然として開発には手がつけられていない。
票田でない南部を軽視しているように見えるインラック政権のせいもあろうが、
ミャンマーのダウェイ港開発の方に人気が奪われているきらいもある。
ダウェイの方が中国にも近く力が入りそうだ。
またここにきて、イスラム系住民(サトゥンの住民の8割はイスラム系)の
開発反対の声が強まっている。
モスクに集まってお祈りする際も、パクバラ・プロジェクト反対の
集会が見られるという。
というわけで、マレー半島を横断するロジスティック・インフラ作りの計画も
今は当面放置されるようだ。
少なくとも、ここ4~5年は動き出さないと見られている。
マレー半島横断となれば、クラ地峡運河計画(これより北のサムイ島
あたりのバンダン湾あたりから横切る計画)があった。
船のまま横断できるなら意味が大きいが、陸路に切り替わるとなると
効果も限定的だろう。
おかげで、アンダマン海の島々の自然が当面は
守られそうだ。
これが国境付近になると全然違った様態となるなんて、信じられませんでした。
ペトロナスの恩恵も、都市部に限られているのでしょうか。