9月18日のムクデン(奉天)事件(中国が国辱の日と教える
柳条湖事件)の日を控えた2012年9月15日土曜日の午後、
反日デモは中国全土でピークをつけた。
中国政府がもはや抑えられないところまできたという
見方もあるが、その後ぴたりと収まった。
また、尖閣諸島への漁船1000隻によるデモ計画には
地方政府から金が出ているという話もあり、
デモは中国の政府のコントロール化にあると見てよいのだろう。
反日という材料が反政府に転化・拡大するようなら、ただちに
抑えるだろう。
中国の知識のある人は、今回の事態をどう見ているのだろう?
ちょうどこちらタイの新聞に、中タイ交換留学で来て、
バンコクでジャーナリストをやっている中国女性ツァン・チーさんが
正直なコメントを載せてくれている。
中国の教育事情もわかるので、紹介しておこう。

(写真はいずれもBBCより)
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中国の反日デモが多くの都市に広がった日、
バンコクでの買い物の帰り、
携帯で、中国のツイッターである「シナ・ウェイボ」の日本製品
ボイコットの呼びかけを見て、寿司など日本製品をたくさん買った
自分の買い物袋を見て、「私は愛国者なのかしら」と少し罪の意識を感じた。
もちろん、これはばかげた感情なのだが、
自分は、中国の広い国土、音楽のように美しい中国の言葉が
大好きだし、世界第2位の経済大国になったことを誇らしく思っている。
今、私たちがディアオユー(釣魚)島(尖閣諸島)を失いそうだと知れば、
中国の歴史書にもはっきりと中国固有の領土と記されてきた土地を
失いそうなことに対し、攻撃された感じと不安がとまらない
(尖閣諸島は、1895年日清戦争後、日本にとられたと教えられているようだ)。
しかし、領土問題は政府同士が交渉すべきビジネスだから、
政府間交渉に任せるべきで、国民がデモすべきことではないだろう。
私にもっとも衝撃を与えたのは、人々が愛国心を表すそのやり方である。
日本の店舗やレストランを暴力的に破壊するそのやり方である。
私には、信じられず、恥ずかしく、憤慨すべき、悲しい事態だった。
そして気がついた。
国を愛するように教えられては来たが、いかにいい方法で愛すべきかは
全然教えられてこなかったと。
デモ自体が悪いと言っているのではない。
デモを悪用し、ばかげた振る舞いに移ることである。
中国では、愛国教育には事欠かない。
70年代、80年代生まれの私たちには、多すぎるくらいだった。
小学校に入り、教わる歌は愛国歌ばかりである。
「母国への頌歌」、「共産党なしには新中国はなかった」、
「太陽は紅く、毛主席は最愛の人」などである。
学校で見る映画は、革命映画ばかりである。
その中で悪者は、哀れであほで邪悪な、いつも日本人か地主である。
ヒーローは、赤軍兵士、共産党メンバー、農民、労働者同胞となる。
こういった独善的な刷り込みは大学までも続くので、
私は、大学では強制的で時間を多くとる
マルクス・レーニン主義のイデオロギーと共産党の主義・政策を
教える「政治講義」ををスキップしたほどだ。
こういったものが多く教えられる一方で、
市民としての権利をいかに要求し、使うかといったことは
一切教えられてこなかった。
前向きな姿勢で、合理的で、平和的で、合法的なやり方で
いかに価値や力を獲得すべきかも教えられない。
我慢して、交渉して、妥協する方法についても教えられない。
他人の利益を尊重することも教えられない。
ただ教えられるのは、「敵を倒せ!」ということだけである。

従って、こういうデモが起こると、
島の争いにはなんら貢献することなく、
自国の経済をも損なうような暴力を生み出す。
私たちは、感情的になり、暴力行為に移り、
さらにネガティブな感情を増やし、結局ルールや
社会正義を傷つけ、愛国とは関係ないところに収まる。
市民教育のないところに悲劇ははじまる。
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中国という国が、国民に考えさせないドグマティックな
教育を与え、生活の不満のはけ口を反日暴力など
外に向けているとしたら、どこかで行き詰まりそうですね。
歴史的にはそうなっているという事です。
であるからして、尖閣諸島や竹島も、実効支配している国のモノだと、世界の人は捉えるということです。
韓国政府は、そのセオリーに乗っ取って、自国の領土と主張しているのだと。中国政府はそれを知っているから、曖昧な場所に陣取りゲームを仕掛けてくるのだと。
そういう常識から考えて、沖縄も北海道も、実効支配している日本のモノというわけです。ややこしい話ですね。
しかし、ツァン・チーさんはこんなコメントして大丈夫でしょうか。
剛の者ですね。


