再び成長に入るだろうという見方が
多いが、中期的に見ると、航空母艦の
お披露目をした2012年が屈折点で、
今後、経済の潜在成長率は下がると共に、
この数年は、金融リスクが高まるかもしれない・・。
3月末に出た最新の野村證券の中国人エコノミストの
研究レポート「上昇する中国の金融リスク」を読むと
こういった感じが否めない。
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最初に、当面の金融リスクから。
中国は、2000年代の不動産投機を抑えるため、
2010~2011年と金融を引き締め、バブルの破裂を
抑えたが、なお各セクターの不動産を中心とする債務は
大きく残っているという。
「景気対策の転換点にやってきた中国 2011-12-8」
http://uccih.exblog.jp/15073149/
国内の信用残高を金融機関の貸付と債券発行残高を
合わせたものとすると、中国の「対GDP国内信用比率」は、
1978年の統計開始以来最高水準(2012年150%)だという。
水準自体は、債務危機時の欧米や日本に比べれば高くはないが、
問題はその変化のテンポ、積み上がり方だと分析されている。
ここで、興味深い指標「5年30%ポイント」ルールが登場する。
85年から89年までの日本のバブル時代(206%→237%)、
95年から99年までの米国のITバブル時代(173%→209%)、
2003年から2007年の米国のサブ・プライム・バブル時代(214%→244%)、
2006年から2010年のEUの債務危機前バブル時代(134%→160%)、
いずれも、5年間でこの対GDP国内信用比率が30%ポイント
増加した。
なお,タイでは94年から98年までバーツ危機バブル時代には、
46%ポイントも増加したという(131%→177%)。
中国の場合、
1994年から1998年にかけてこの比率が低位ながら、86%から
110%まで24%ポイント上がって、広東国際信託の不履行があったが、
今回2008年から2012年までは、121%から155%へと34%ポイント
上昇している。
中国の金融機関の債務問題が見過ごせない理由だ。
中国の国内信用の拡大とは、
具体的にどんなところが増えているのだろうか?
銀行は、地方政府のインフラ建設プロジェクト向けの
貸出が急増しているという。
これに対し、当局が貸出規制を行なったので、
2012年には規制の枠外のノンバンクである信託会社からの
貸出増が6倍になっている。
社債発行もここ4年で4倍増になっている。これも規制外で増加した。
これらの他に、中国では、統計に出ない‘地下銀行’の貸し出しも
増えているといわれる。
信用拡大は、不動産、土地価格の上昇となって表れる。
公式統計の住宅価格は、過去8年で2倍強になったに過ぎないが、
住宅の質の変化などを調整すると、2009年までの5年間で
3.5倍に上がっており、米国の2001~2006年の84%アップを
上回っている。
平均地価はもっと上がっており、過去10年で6倍近くになった
(1㎡あたり573元から3,393元へ)。
住宅価格は、信用規制により、2011年ごろから少し値下がりしたが、
2012年9月頃より国営企業による買いを契機に再び加熱している。
中国政府の関係官庁も現在の信用拡大に警鐘を鳴らしているが、
いったいどういう形で収束できるのだろうか?
野村のアナリストは、以下のようなシナリオを描いている。
巷間ことしの中国は景気浮揚のために金融を緩和していくと
見られているが、年後半、むしろ金利の引き上げを行なうだろうと
彼らは見ている。
これにより、バブルの抑制が図られるだろうと見る。
そして、リスクシナリオは、中国が7.5%以上という
過去の潜在成長率に固執し、景気配慮から金融緩和を続けた
場合である。不動産市場、信託会社にバブル破裂のリスクが
高まるというものだ。
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彼らの懸念が心配しすぎであってくれればいい。
中国でバブルが破裂すれば、ひとり中国だけでなく
タイを含めたアセアン諸国への影響も大きい。
そう言えば、タイ自身が巨額のインフラ投資を中心に
信用拡大、債務増大でバブってきそうな状況である。
中国の潜在成長率鈍化の話は、次の機会に。
ニマンやチャンクラン等の一部高価なのもありますが、値段相応に入れ込んでるようですし、たとえこれがバブルだとしても、破裂の煽りを受けるのはごく一部のような気がするのは私だけでしょうか。
数年前から、いつ崩壊しても不思議ではない、と思われていましたが、そろそろでしょうか?
人口ボーナス期から人口オ―ナス期への転換期にバブルが破裂しやすいようです。
そうなると、タイ王国のバブル崩壊も間近なようですね。
タイ王国の場合、人口ボーナス期が終わり、米国FRBや日銀の歴史的超金融緩和政策でホットマネーが大量に流入してきていますから。
同じ、東南アジアでもインドネシアやフィリピンは人口ボーナス期はこれからなので、バブルが破裂してもタイ王国ほどのショックは無いかも?
http://diamond.jp/articles/-/34097
http://ninjafighter.blog.fc2.com/blog-entry-202.html