1年前は高い成長でがんばっていたインドネシア経済だが、
ここ2013年後半に来て、鈍化の色が目立ち始めた。
「世界不況の中でも伸びているインドネシア経済の中身 2012-9-14」
http://uccih.exblog.jp/16748127/
その大きな要因は、①中国の経済減速に加えて、
②米連銀の量的緩和縮小の思惑の中での外資の
流出だったろう。
インドネシアのような人口2億4千万人もかかえ、
内需・インフラ投資で伸びている国でも、
中国はじめ主要市場の減速による資源価格の下落、
外資の流出による投資意欲の減退には抗し切れない。
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9月初めに発表された7月の貿易収支は、輸出価格の下落中心に、
23.1億ドルの赤字と、前月の8.5億ドルから急増、
史上最大の赤字幅となった。株式市場は驚き、急落した。
第2四半期の経常収支も、98億ドルの赤字に拡大し、
90年代末のアジア危機以来の赤字幅となっている。
7月に1ドル=1万ルピアにのせた為替ルピアも、
その後下落が続き、9月末には1ドル=11500ルピアまで
価値を落としてきている。
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また8月の製造業の操業指数は、15ヶ月ぶりの低水準に
落ち込んだ。
購買者指数は、8月に48.5と50を割り、企業の購入意欲が
下り坂に入ったことを示している。
6%台だった成長率も、第2四半期には5.8%と
6%を割ってきた。
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一方で、インフレは8月に8.8%と8%を超え、
4年ぶりの高さにある。
インドネシア銀行は、インフレ抑制と通貨の下落防止のために
9月12日には、政策金利を4ヶ月連続で、7.25%へ(5月までは
5.75%)上げてきているが、目立った効果はまだ出ていない。
一人当たりのGDPで、まだタイの3分の2である人口大国
インドネシア。
この際、一度成長を落として、インフレを抑え、貿易赤字を
縮小させることになるのだろうか?