「ナレスワン大王その5」をやっているので
見てきた。
16世紀末にビルマからの侵略に対し
アユタヤの地を守ったナレスワン大王の
伝説は、タイ人に人気の歴史物語である。
「ナレスワン大王その1、その2」は、
7年前の2007年に公開されたが、
雨の六本木へ行って見た。
ハリウッドの活劇物に劣らぬ歴史絵巻だった。
そして、「ナレスワン大王その3とその4」が
3年前の2011年に公開された。
ややマンネリくさかったが、400年以上前の衣装や
村の様子、見て面白かった。
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そして今回が、「ナレスワン大王その5」である。
物語は単純で、ビルマ側が体制を立て直して、
アユタヤに攻め入ってくるが、これをナレスワン大王が
伝説の騎馬戦でなく、騎‘象’戦で相手のビルマの王子を
やっつけるまで。
象が牙と牙を組み合わせて戦うシーンが見ものである。
このナレスワン王とビルマのミンチット・スラ王子の
「ノンサライ(タイ中部のスパンブリ県)の一騎打ち」が
行われたのが1593年1月18日。
1月18日はタイの「陸軍記念日」になっている。
また今回も山田長政らしいちょんまげ姿の日本武士が
アユタヤ軍に、時代を先走って、顔を出している。
この戦いのあったのは1593年。ナレスワン大王は38歳だったが、
歴史によれば長政の生まれたのは1590年頃だった。
タイらしくて、いい加減でいいか。それとも長政の先人かな?
大王の姉スパンカンラヤは、兄弟の身代わりに
まだビルマに人質に囚われたままだし、その運命は?
このあと、ビルマとアユタヤの攻防は続くので、
その6以降もありそうだ。
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タイ映画のヒット作、つまり興行収入の多いベストテンを見ると
3位から5位までにナレスワン1~3が入っている
(その4は1億2500万バーツで選外)。
今回のナレスワン5も、最初の週で1億3千万バーツの興行収入を
あげており、ベストテンに入ってきそうだ。
タイの映画は、興行収入が1億バーツ(3億円)を超えれば大ヒットだ。
ちょうどクーデターの起こった翌日に公開だった。
夜間外出禁止令のネガティブな影響は少し受けたようだが、
愛国的な気持ちから劇場に足を運ぶ人も多かったのかもしれない。
学校や職場からのグループ鑑賞も多いそうだ。
6月15日(日)11時からは、軍政府が全国の映画館で
ナレスワン鑑賞無料の回としている。
ちなみに、ナレスワン大王とその弟エカトーサロー(後のアユタヤの王)役を
演じている俳優、ワンチャナとウィンタイは、いずれもタイの陸軍の将校である。
「ナレスワン大王が洪水のアユタヤを救う!? 2011-10-15」
http://uccih.exblog.jp/14759970/
ナレスワンが「黒い王子」、弟エカトーサローが「白い王子」と呼ばれたが、
鉄拳の大王とやさしい弟という役割分担を後世の人が与えたためらしい。
(続く)