人気取りの「自動車初回購入者奨励策」は、
2012年の国内販売台数を前年比8割増といういびつな
盛り上がりを見せた後、今年1~5月には、
前年同期比4割減という、これまた異常な
落ち込みを見せている。
「先食いされたタイ自動車販売の大きな落ち込み 2014-6-13」
http://uccih.exblog.jp/20807587/
新車販売の人為的な異常な増加と、そのあとの
落ち込みは、タイの自動車販売の半分以上を占める
中古車市場に、“トリプル・パンチ”となって、中古車を
溢れさせてしまっている。
「やはり出てきたタイ中古車市場の価格下落 2013-5-5」
http://uccih.exblog.jp/18697737/
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第1波は、新車が物品税分安く買えるものだから
(乗用車1台約7万バーツ、22万円も返ってくる)、
中古車にしか手が届かないはずの若年層がこれに
飛びつき、中古市場の買い手が減った(2012年)。
「車の初回購入者に税額控除が行なわれて2ヶ月 2011-12-16」
http://uccih.exblog.jp/15117643/
第2波は、奨励策に乗って車を買ったのはいいが、
維持費など考えると持ちきれない。4~5ヶ月で
手放し、中古市場に放出することになる(2013年)。
「自動車の予想以上の売れ行きはタイ人の借金を大いに増やす 2012-12-23」
http://uccih.exblog.jp/17492857/
第3波は、中古車市場への放出が続くと同時に、
景気も悪くなり、借金も増え、中古車でさえしばらく
買い控えるようになる(2014年)。
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こういった3つの波を経て、いま中古車市場は
車で溢れ、価格は下がっている。
月賦の代金を支払えなくなり、金融機関に差し押さえられ、
オークションに出される車が、中古車市場に流れ込んでいる。
タイの中古車市場の規模は、通常だと年間100~150万台と
新車の国内市場をやや上回る規模だが、
今年は、“新古車”の大量流入で、年末までに300万台ほど
までに膨らむかと見られている。
儲かっているのは、オークション会社。
週間2度オークションをやっていた大手オークション会社は、
昨年8月以降、倍の週4回に増やしている。