何か規則を決めても、それに不都合な面が
出れば、躊躇なく規則を変えるか、その規則をやめてしまう。
しっかり練ってから不退転の決意で出してくる
官僚王国ニッポンのやり方とは大違いだ。
一度決めたものをそう簡単に変えれるか?
変えられるのである。
数年前に、タイの警察で、勤務不良の警察官には
キティちゃんの腕章をはめさせるという愉快なアイデアが出た。
どうなるか見ていたら、版元のサンリオから著作権の承諾を
取っていなかったということで、すぐに沙汰止みになった。
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先だっては、タイへノービザで入国し、タイに住み着き、
出入国を繰り返し、仕事までしてしまう外国人を締め出すために、
タイの入管は、ノービザでの数次出入国に対し
厳しく当たることにした。
「ビザなし滞在者への規制強化とタイの入管 2014-5-17」
http://uccih.exblog.jp/20715578/
そして2014年7月、今度は、タイ人の外国旅行の増加に伴い、
税金を申告しないで、外国から多額の品物を持ち込み、
国内で売りさばく連中を取り締まるために、
空港税関での申告漏れに厳しく当たることにしたという。
もっとも、軍政で新しくなった税関長は、
「軍政になってきびしくするようにしたわけではない」と
この情報を否定している。
後述の空港のビラも、前任者の時に、旅行者への
一般的注意事項として張られたものだという。
タイの税関は、報奨制度で血眼になって禁制品を
見つけるよう奨励しているが、そこはタイ人のこと、
普段の空港の通関はのんびりしたものである。
「高い罰金と報奨制度で動くタイの税関 2011-3-9」
http://uccih.exblog.jp/13088854/
タイでは、お土産やブランド品など海外で買ったものが
総額1万バーツ(3万1千円)を超えると、税関申告し、
税金を払わなければならない。
また、タバコは200本まで、アルコールは1リッターまでである。
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総額わずか1万バーツである(日本は20万円枠でしたか・・)。
海外で、衣料品や靴、バッグなどを買えば、
ブランド品でなくても、1万バーツに行ってしまう。
X線の機械を通る前に申告しないで見つかると、
税金を払わされるだけでなく、価額の4倍の罰金が科せられる。
取締りの強化は、空港にその旨のビラが貼られ、厳しいものとなったと
見られた。
さて、ここまでが税関取締り強化の話。
第2話は何でしょう?
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第2話は、その数日後、このビラが撤去されるところから
始まる。
厳しすぎるとの声が上がったからだ。
そして、柔軟な税関当局は、今度は
課税基準の見直しに入る。
これが第2話。
総額1万バーツの非課税枠は数十年前に
設定されたもので、さすがに低すぎるということで、
8万ないし10万バーツに引き上げることが検討され始めた。
一挙に8~10倍だが、この枠(25~32万円)なら現実的だろう。
なお、タイの税関は、最近国外へのお金の持ち出し上限を、
5万バーツから50万バーツに引き上げている。
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非課税枠を守らせることの強化が、
非課税枠の拡大につながりそうである。
タイの当局は、柔軟でプラクティカルである。