タイ時間で、夜中の2時から朝の6時半まで、
全米オープンテニス準々決勝の錦織君と
ワウリンカ(スイス)の4時間を越えるフルセットの
熱戦を徹夜で見てしまったのだ。
1日半前、錦織選手が、4時間19分という記録的な
熱戦で、豪快サーブのラオニッチ(加)の同世代対決に
勝ってベスト8に残ったので、もうあとはどうでもいいと
思っていた。
「全米オープンテニスで錦織選手ライバルのラオニッチをやぶる 2014-9-2」
http://uccih.exblog.jp/21073735/
戦前の下馬評は、足指の手術に加え、長時間ゲームで
疲れがたまっているはずの錦織選手に対し、
今年の全豪で優勝し、フェデラーの影武者的存在から
抜け出てきた、バックハンドが抜群のワウリンカ優位だった。
ワウリンカ得意のバックハンド・ショットを、錦織がどれだけ免れるかが
ポイントとなりそうだ。
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第1セットをワウリンカの強烈なサーブで6対3で取られた錦織は、
第2セットは粘り、6対5からの12ゲーム目、ワウリンカのミスが続き、
錦織が7対5で取り、セットカウントを1対1とした。
http://www.nikkansports.com/sports/news/f-sp-tp0-20140904-1361286.html
続く5セットマッチの第3セットはタイブレークに入った。
錦織が相手のミスで6-5のセットポイントをつかみサービスするも、
ワウリンカの得意なバックに入り、パッシングされ、さらにもうひとつ
ミニ・ブレイクされ、逆にセットポイントを握られる。
しかし、ワウリンカのサービス・ゲームを続けてやぶり、
結局錦織が第3セット9-7でタイブレークを取った。
このセット・ポイントは大きいが、錦織には、足指の痛みと前のゲームの
疲れがこのあと次第に出てくるかと心配された。
セット・ポイント2対1と錦織がリードしたが、なおワウリンカに分がありそうだ。
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第4セットに入ると、途中、ラオニッチ戦同様、
錦織はメディカル・タイムアウトを取り、足指のテープを巻きなおす。
痛そうだ。
このセットもタイブレーク入り。錦織は0-4とリードされるが追いつくも、
結局このセットはワウリンカに取られる。
ワウリンカ得意のバックサイドに錦織のボールが行くことが多く、
彼の強烈なバックハンド・ストロークに決められるのが目立つ。
勝敗を決める第5セット。
ワウリンカのバックハンドは珍しくミスを見せるも、
最終セットに入っても強力なサービスは衰えず、
2桁にのぼるサービスエースを決めていく。
錦織は、このセット3つのブレークポイントを切り抜けるも、
ワウリンカの方が優勢に進めている。
しかし錦織が、この日も4時間を越えるゲームで粘る。
5対4錦織リードで迎えた第10ゲーム。
ワウリンカのサービスゲームだが、錦織が15-40でブレークチャンスを
このセットはじめてつかむ。
つまりダブル・マッチポイントをつかんだ。
30-40のあと、ワウリンカのボールがネットにかかり、
錦織がメジャーな大会でベスト4へ駒を進めた。
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この錦織の勝利には、心底驚いた。
不利な条件の中でも、冷静にかつ果敢に挑み、
2度続いた長時間フルセット・マッチの勝利をもぎ取ったのだ。
「すばらしい精神力!」と言っても、空々しく聞こえる。
「マイティー(力がある)だ」と言うしかない。
チェンマイの窓の外はすでに明るみ始めた早朝、
言葉が出なかった。
世界で通用する日本選手の活躍のうれしさを胸に、
朝の小睡眠を取ることにした。