ーー文字は正しい発音の“保証書”ーー
言葉は、そもそも音から発生している。
タイ文字は13世紀にできたと言われるが、
発音があったところに、それに対応する文字ができたはずだ。
ところでタイ文字の綴り方は、韓国語と似ている。
つまり、子音に母音記号が上とか下とか横にくっついて
一塊の文字を形成する。
たとえば、กg+าアーで、 กาガー、「カラス」となるわけだ。

タイ文字は、13世紀、スコータイ王朝第3代王のラームカムヘーン王に
よって作られたといわれる。ちょうど蒙古が日本へ来襲した鎌倉時代の頃だ。
韓国の文字、ハングルが、李朝第4代王の世宗王によって
創設されたのが15世紀半ば、室町時代半ばの頃だから、
タイ文字の創生は、ハングルより200年近く早かった。

今回のタイ文字の読み書きの学習をやっていくと、
まず音ありきで、こういう文字がついてきたのかという
ことが見えてくる。
これはタイ文字を覚える上で、素晴らしいことだ。
なぜかというと、自分の発音を文字が“保証”してくれるからだ。
具体的にはどういうことか?
最初に覚える7つの中子音を例にとってみる。
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タイ語は中国語と同様、息を吐きだす有気音と
吐き出さない無気音がある。
同じ「カ」(khaとga)や「チャ」(chaとja)や
「タ」(thaとdta)や「パ」(phaとbpa)でも違う。
ところで、最初に習う「中子音」と呼ばれるものは、
すべて無気音である。上のアルファベット表記でいえば、
ga,ja,dta,bpaである( กะ จะ ตะ ปะ)。
ちなみに、母音記号のことにちょっと触れておけば、
最初に出てくるア、イ、ウを短母音と長母音で記しておけば、
アะアーา、イิイーี、ウุウーูとなる。
このウは口を丸めたウุ(ウはもう一種口を横に張ったウึがある)。
タイ語の母音記号は、長短合わせて32もあるから、徐々に覚えていこう。
内訳は、基本的な母音が長短9つずつで18。
これに10個の二重母音のようなものが加わり、
そして古語の母音文字が4つ。計32と数えられるが、
基本的なものから徐々に覚えていったらいいだろう。

そして、中子音に長母音がついたもの、
たとえば、「ガー กา」(からす)とか「ディー ดี」(良い)とかは、
みな声調が平声、つまり中ほどの高さとなるのだ。
覚えるのに、発音が楽だ。
この中子音に短母音がつくと低声になる。
のちに5つの声調について述べるが、
ここでは、1番目の平声に続いて、2番目に低声があると覚えればいい。
発音してみると、これまた、これが自然なのだ。
例えば、「島」のゴッ↓เกาะや「蹴る」のテッ↓เคะ、
「未来助詞」のジャ↓จะなど低声である。

だから、「中子音+短母音」に「中子音+長母音」を
くっつけると、子供の言葉遊びのように、
音が自然に出てくる。
中子音に付く場合、
短母音は低声、長母音は平声なので、
リズムよく読むうちに自然に音も身についてくる。
たとえば、リズムよく、「ดะダッ↓ดา ダー→」、「ติティッ↓ตีティー→」、
「ปุプッ↓ปูプー→」などとやっていると、自然と「低声+平声」で
リズムが奏でられる。
言葉は音だなと改めて思い知らされるのがいい。

タイ語を習うとき、無理に、声調表や声調符号に従って、
音を上げ下げする。
これは、本末転倒。
自然に音を出しながら、それに文字がついてくるのを確認する。
そうやっていくのがよさそうだ。
(その4に続く)


