ハートヤイの街からロットゥー(ミニバス)に乗って
海辺の街ソンクラーにやってきた。
冷房の効いたミニバスで1時間ほど。
34バーツ(120円ほど)は安いものだ。
ソンクラー郡は、ハートヤイ郡の人口の半分以下しかないが、
以前に触れたように、ソンクラー県の県庁所在地である。
ソンクラーの地名は、シンガポールと同じく、サンスクリット語の
シンガラ(獅子の意味)からきている。シンハビールもそう。
ハートヤイの街が、20世紀初め、客家出身の謝枢泗(しゃすうし)に
よって開発されたのに先行して、ソンクラーの街は、18世紀末、
福建出身の華僑、呉譲がアユタヤ王朝滅亡と同時期にこの地の
国主となり、力を蓄えていったが、20世紀初めのチャクリー改革
(中央集権化)でソンクラー郡となった。
なお、ソンクラーは、この5月に98歳で亡くなった
タイ政界の大立て者、プレーム枢密院議長の出身地でもある。
ソンクラーの街は、海沿いの街だが、北端は同時にタイ最大の湖、
ソンクラー湖の南端にも挟まれている面白い地形だ。
ソンクラー湖は、南北に3つの部分でつながっているが、
総面積は1040㎢と、琵琶湖(670㎢)の1.55倍に及ぶ。
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ソンクラーの街で面白いのは、海沿いの旧市街の街並みである。
海沿いと言っても、海水の流れ込む西側のソンクラー湖沿いだが。
この旧市街には色とりどりの古い建物が残されているが、
また建物の壁にはいろいろな絵が描かれており面白い。
散策するのによい。何かきっかけがあれば観光ブームの地に
なるかもしれない。
帰りは、東側に歩き、ちょっと広い通りに出れば、
ハートヤイへ帰るミニバスが拾える。
また、ソンクラーでは、北方のタンクアンの丘に
チェンマイのドイステープのようなケーブルカーで登れば、
海と湖とソンクラーの街が一望できる。
そしてそこから下り、東へちょっと歩けばサミラー・ビーチ。
田舎風のきれいな海を見ながら、海鮮料理が食べられる。
イカの天ぷらがうまかった。
ソンクラーでは、グラブでタクシーを呼んだが、
なかなか見つけてもらえず、しかもあまり安くない。
むしろ行きずりのソンテウを捕まえたほうが
安くて早かった。
ソンクラーは、見るもののあまりない街と聞いていたが、
けっこう一日楽しかった。
時間があれば、泊まるのもよい。
ハートヤイへ戻って、明日は、雨期ながら、天候も大丈夫なようなので、
マレー半島の付け根を西側に横断し、アンダマン海のリペ島に行ってみる。
(その5に続く)