タイ語の子音はなぜグループ化されているの?
前回、タイ語を読み書きする時の
声調符号(ワンナユック)について触れたが、
その声調符号が付く44(使われない2つを
除くと42)の子音(パヤンチャナ)の分類の
意味と、その覚え方をやってみよう。

タイ語の「コー・カイ」で始まる44文字の子音表は、
アルファベットやあいうえおに相当するものだ
(もっとも、タイ語の場合は、母音サラーは符号であり、
含まれないが)。
子音(พยัญชนะ、パヤンチャナ)には、4つのグループ(タイ語でグルム)がある。
高子音字グループ(アクソン・スーン) 11文字
中子音字グループ(アクソン・グラーング) 9文字
低子音対応字グループ(アクソン・タム・クー) 14文字
低子音単独字グループ(アクソン・タム・ディヤオ) 10文字
子音に高い低いがあるのか?
最初に、この高子音字、中子音字、低子音字という
表現に出会ったときは、びっくりした。
なぜなら、音が高いか低いかは、母音が決めることでしょ?
子音に高いも低いもないだろうと思って、タイ語の先生に
聞いたが、要領を得なかった。
さらにタイ語を書いていくと、声調符号は、母音の上ではなく、
子音の上にふられる。
声調符号や母音符号が来たら、子音が「おれが声調を
決めるぞ」と主張しているようなものだ。
そう、母音も、タイ語では符号に過ぎないのだ。
グループ毎に同じ符号が付いても声調は違う!
子音(パヤンチャナ)は、4つのグループに分けられ、
それぞれのグループごとに(低子音はふたつで一緒)、
声調符号がついたり、長母音や短母音がついたときに、
声調の変化のパターンが決まっていると覚えていた方がいい。
例えて言えば、4つの学級のクラスがあって、
それぞれ10人前後の生徒がいるが、
各クラスごとに、先生の指示に対する
発声が、クラスごとに違っているが、クラス内では一致して
決まっていると覚えておこう。
各グループの音声の特徴は?
さて、各クラスにどんな生徒がいるのか?
各グループの特徴は何か?
前回の声調符号がついたコー(kh、k、ŋ)に
近い音を持つ生徒は、それぞれのグループにいることを見た。
1.「ข」(卵のkhài) 高子音字グループ
2.「ก」(鶏のkài) 中子音字グループ
3.「ค」(水牛のkhwaai) 低子音対応字グループ
4.「ง」(蛇のŋuu) 低子音単独字グループ
勘の鋭い人なら、
この「コー」に近い4字を見ただけで、
各グループの特徴をわずかにでも感じられるかもしれない。
1番目の高子音字グループと3番目の低子音対応字グループとは
実は対応しているのだ。

khàiとkhwaaiの例しか出していないが、khの発音記号に見られるように、
両グループとも「有気音」グループなのだ。

紙を口の前に掲げて、発音する際、紙が動く有気音なのだ。
タイ文字の半分以上は、有気音である。
では、両グループはどう違うのか?
なぜ同じ音なのに、文字がダブってあるのか?
覚えるのにも面倒くさい。
自分の日本語の名前をタイ文字で表記する時には
低子音対応字の方を使う。
こちらは、カタカナのようなものなのか。
例えば、ヒロシは、「ฮีโรชิ」と、
低子音グループを使って表記されるが、
「หิโรฉิ」と、高子音グループのhやchは使わない。
なお、タイ語にshiの音はなく、chiと同じになるので、
ヒロシはヒロチとこちらでは呼ばれる。
中子音字グループは、無気音のグループ!
一番目と三番目のグループは、有気音のグループだと
申し上げた。
ならば、第2、第4グループは?
そう、無気音である。
ことに、第2の中子音字グループは、
有気音グループとはっきり区別されなければならない。
khに対するk、thに対するt、phに対するpの違いははっきりと。

鶏のkàiは、カイというよりガイgài、
濁りのある有声音に近い。
同じペットでも、辛いのはphètだが、あひるならbpètだ。
有気音が息を吐きだす音なら、
中子音字グループの無気音は、
むしろ息を吸い込む感じだ。
空気を遮断するk,t,pを含む中子音字グループの活躍の場
グループの違いは、有気音か無気音かの
違いだけではない。
第1、第3グループの有気音グループは、
破裂音(kh,ch,th,ph)と摩擦音(f,s,h)から成るが、
すべて、濁らない無声音である。
これに対し、無気音の中子音字グループは、
k,t,pといった破裂音で占められるが(母音のɔも入っているが。อ)、
濁らない無声音と濁る有声音がペアで入っている
(tとd、pとb)。
kは、有声音gに近く、cは同じく有声音jに近い。
つまり、「ก」と「จ」は、無声音と有声音の
中間の音だと言っていいだろう。
ことにk,t,pの3音は、末子音として語尾に使われるように、
空気を遮断する破裂音であり、言葉を止める役目を果たす。
末子音でも遮断音(k,t,p)と鼻音等(ŋ,n,m, y,w)で異なる声調
最後の低子音単独字グループは、
まさに独立した子音字のグループである。
有声音、無声音を問わず、鼻音(ŋ,n,m)や
母音に近い音(y,w)と、r,lが入っているのが特徴だ。
なお、r(ร),l(ล)は、末尾に来ると、nの音となる。

大事なことは、この単独字グループの鼻音(ŋ,n,m)や
母音に近い音(y,w)も、対応字グループのk,t,pと同様に、
末子音として単語の末尾に使われるが、両者は声調が違ってくる。
k,t,pは、遮断する音なので、「死んだ末子音」と呼ばれ、
短母音に付いたとき、短母音だけと同じ声調になる。
例えば、島のゴッ(เกาะ)と噛むのガット(กัด)は、ともに下声となる。
しかし、 ŋ,n,m, y,wは「生きた末子音」と呼ばれ、
これらが付いた単語は、長母音だけの単語と同じ、余韻を残した
声調になる。
例えば、乞うのコー(ขอ)と物のコーング(ของ)は、ともに
尻上がりの昇声(上声)の声調となる。
総括的に言えば、
k,t,pの破裂音(遮断音)の末子音は、そこで音を止める役目、
単独字の末子音ŋ,n,m, y,wは、長母音の終わり方と同様とみなされる
わけである。
4つの子音グループの特徴の説明が長くなった。
どの子音はどのグループに入るかは、タイ文字を読み、
タイ語を発音するうえで、決定的に重要だ。
次回は、このグループ毎の覚え方を紹介しよう。
以上


