チェンマイの街や野を彩る花々とそのエピソード(第12回)
前回は、ピンクの花の前半。
3つ紹介しましたが、覚えていますか?
①お正月に山の上で見られる「ヒマラヤザクラ」。
②タイ桜とも称される「ピンク・トランペット・ツリー」。
タイでの呼び名は「チョンプー・パンティップ」。
③そして、タイでは主に2種類が目立つ「さるすべり」(百日紅)でした。
いずれも、咲く場所は違いますが、印象的なピンク色の花を咲かせます。
残るピンクの花も、もう3種あげることにします。
まず、写真を掲げておきましょう。
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4.コスモス
コスモス(秋桜)は、日本でも秋の風物詩ですので、
なじみ深いですね。
秋の風が立ち始める頃、風ににそよぐ道端のコスモスは、
なんとも守ってやりたいような可憐な風情です。
コスモスは、特にトロピカル・フラワーというわけでは
ありませんが、原産地はメキシコの高地です。
タイでも園芸用によく植えられています。
チェンラーイの名門ゴルフ場「サンティブリ」の
スターティング・ホール脇のコスモスの群生は
爽やかな気持ちにさせてくれます。
コスモスは宇宙という意味。
整った秩序がこの花の特徴なのですね。
コスモスは、タイ語でも「コスモス」。
もうひとつ、
コスモスには、普通のコスモス(コスモス属ビピナタス種、
和名「大春車菊」オオハルシャギク)と違う
「キバナコスモス」という、
暑さに強い黄色い花の「スルフレウス種」があります。
英語では、その色から「サルファー・コスモス」
または「イエロー・コスモス」と呼ばれます。
橙色に近い濃い黄色の花を咲かせます。
タイ語では、「黄色いコスモス」ではなく、
「ダーオ・グラチャーイ」(広がる星)という
しゃれた名前になっています。
ちなみに、「メキシカン・アスター」(メキシコの星)は、
イエロー・コスモスではなく、ふつうの桃色のコスモスの別称です。
ともにメキシコが原産地だそうです。
山の上と低めの土地の違いでしょうか?
同じコスモス属ですが、種が違うから交配しないと言われますが
ほんとうでしょうか?
自然交配はないとしても、同じ属なら人工交配はできないのでしょうか。
5.日日草(マダガスカル・ペリウィンクル)
「マダガスカル・ペリウィンクル」(Madagascar Periwinkle)
と言われても何の花なのかわかりません。
マダガスカル原産で、マダガスカルが名についている
花はわりに多い。
もっとも、マダガスカルがついていない、有名な花もあります。
タイの代表的な花として最初に掲げた
フランボワイヤン(火焔木)がその例です。
マダガスカル・ペリウィンクルとは、「日日草」のことです。
日本では夏の花壇にピンク系の可愛らしい
小さな花をたくさん咲かせます。
次々に咲くので、日日草の名がついたと言われます。
英語名は、「ペリ」で「周り」に、「ウィンクル」で
「拡がる」ですので、この花の次々に咲く有様を表したのでしょうか。
と思ったら、ラテン語の「pervinca」(結びつける)から
来たようです。
つる性の植物なので、茎が巻き付きながら成長していきます。
タイでは公園などに、ピンク色の可愛らしい花を咲かせています。
タイ語では、「ペーン・プアイ」。
プアイは、ノズル、噴出口、ペーンは、高価なもの。
ノズルの高価品?
語源の意味は、わかりません。
似た名前の花に「百日草」がありますが、
これは、赤い色の花のところで紹介しましょうか。
こちらも暑い夏に長く咲く花ですが、
名前は似ていますが、容貌はだいぶ違いますね。
6.スナップ・ドラゴン(金魚草)
日本では、金魚草(花弁が金魚の形に似ているから?)は、春の花です。
地中海沿岸が原産地だそうですから、トロピカル・フラワーでは
ありませんね。
常夏のタイでも、その品種、花の色の豊富さから、
北タイの比較的高地に園芸植物として植えられています。
花が重なって縦長に咲いているのが特徴でしょうか。
タイ語は、英語そのまま。
「サネープドラゴン」です。
日本では金魚に似せていますが、
英語名は「スナップ・ドラゴン」(snap dragon)。
「かみつき龍」と龍の口に似せています。
ずいぶんイメージが変わりますね。
なお、スナップドラゴンという言葉は、
スマホのCPUの性能数字として
別の世界で使われています。
ピンク色の花は、以上の計6つで終わり。
次回は、赤の花をみてみましょう。
いくつに絞りましょうか。
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