チェンマイの街や野を彩る花々とそのエピソード(第18回)
今回は、最後の色「紫色の花」の後半。
4種の花を見ていきましょう。
いずれも、日本ではあまりなじみがない花かもしれません。
でも、“瑠璃”という色の和名がついていたりもします。
濃い青紫色が多いです。
見ていきましょう。
5. 「ゴールデン・デュー・ドロップ」(ハリマツリ玻璃茉莉)
日本語に訳すと、“金色の露の滴り”となる
ロマンチックな名前の灌木ですが、金色は実の色。
花の色は、紫色です。
和名は、「玻璃茉莉」(ハリマツリ)、
または「台湾連翹」(タイワンレンギョウ)だそうですが、
また市場では、学名の「デュランタ」の名で、通っているようです。
「タイワンレンギョウ」の名は、
花がレンギョウに似ているからだと言われますが、
あの黄色いレンギョウ「フォシシア」(韓国名ケナリ)とは、色も形も違う。
科属も、「フォシシア」が、「モクセイ科レンギョウ属」なのに対し、
「ゴールデン・デュー・ドロップ」は、「クマツヅラ科ハリマツリ属」です。
中南米原産の「ゴールデン・デュードロップ」が
タイに入ってきたのは、そう昔のことではないようですが、
タイ語では、「ティアン・トーング」。
“金色のろうそく”です。
しかし、この金色の実は、毒性があり、食べられないそうです。
6.「キャンドル・ラークスパー」(千鳥草)
千鳥足なら知っていましたが、「千鳥草」(チドリソウ)
という名は知りませんでした。
花の形が千鳥に似ている?さて?
また、「飛燕草」(ヒエンソウ)とも呼ばれるようです。
こちらは、飛ぶツバメに似ているから?
ラークスパー(Larkspur)の語源は何でしょう?
ラーク(ひばり)が付いているけれど、スパーは基部のふくらみ?
「ラークスパー」という人名があるようですが、
なぜこの花に付いたのかわかりません。
キャンドルが付いているのも、茎が直立していて
キャンドル型だからと思いましたが、香りがろうそくのようだからと?
これもよくわかりませんね。
南欧地中海原産のこの花は、タイでも園芸植物として見られます。
学名「デルフィニウム」のタイ語式発音の「デンフィニアム」で
呼ばれています。
7.「エッジング・ロベリア」(瑠璃蝶草)
瑠璃色の蝶の形に似た鮮やかな紫色の花。
和名の表す通りです。
南アフリカ原産のこの花は、日本でも学名の
「ロベリア」(Lobelia erinus)で呼ばれています。
Lobeliaの名は、16世紀のフランダースの植物学者
「マティアス・ドゥ・ロベル」の名から。
キキョウ科の花であり、
色と形が南国の桔梗といった風情です。
タイ語では、“ロビリア”と、
タイなまりで呼ばれます。
8.「プルンバーゴ」(瑠璃茉莉、ルリマツリ)
いよいよ、紫色の最後の花です。
「Plumbago」といった変わった名の、
ややさびしげな青紫色の花です。
Plumbagoの名は、鉛毒を消すことから来たと言われます。
“さびしげな青色ジャスミン”といった風情でしょうか。
もっとも、さびしげなというのは、主観ですから、
この花は、また可愛らしくもあり、涼しげでもあります。
で、花言葉は、「いつも明るい」になるようです。
「寂しい時もあろうが、いつも前向きに明るく」というのでどうでしょう。
見かけはか弱くとも、芯は強い花です。
別名「ケープ・リードワート」(Cape Leadwort)です。
南ア岬地区原産の薬草(岬の鉛草の意)です。
夏の花なのに、寒さにも比較的強いようです。
また、トロピカル地方では、珍しい淡い紫カラーの花でもあります。
タイ語の名前は、「パヤップ・モーク」。
“霧のかかった、霞んだ”という意味です。
日本の花とは違いますが、せいぜい“霞草”といったところですね。
この18回で、チェンマイに咲く、文字通り“色々な”花を
みてきました。
最終回に、全体像をまとめてみたいと思いますが、
その前に、次回第19回、20回では、
コメントしそこなった花を、
追補という形で、追加したいと思います。
(第19回に続く)