終戦の年生まれの名女優、栗原小巻と吉永小百合
~栗原小巻の名画2本を見る~
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終戦の年、1945年3月10日。
東京は、B29の325機による無差別
焼夷弾爆撃によって、一夜にして10万人の命が奪われた。
史上最大の爆撃だった。
民家の建てこむ東京の下町に、火の広がるナパーム弾を2時間半にわたって落とし続けたのだから、
10分当たり6,000人以上の命を奪うのも造作なかった。
この第2次大戦中の記録的市民無差別虐殺に対して、
なぜか毎年の目立った大きな追悼行事はない。
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この3日後と4日後、東京の渋谷区西原と杉並区永福に、日本の名女優が誕生したと言われる。
吉永小百合と栗原小巻である。
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終戦の年3月に1日違いで生まれた彼女らは、
ちょうど戦後生まれの僕らの学年のひとつ上になる
(吉永小百合の当初行った駒場高校は、自分の行った高校のほぼ隣にあったので、
彼女については当時から噂が流れるほどだった)。
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WOWOWシネマで、栗原小巻主演の名画を2本やっていた。
ともに安曇野出身の社会派名監督「熊井啓」の作品である。
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ひとつは、純愛の名作「忍ぶ川」。1972年作(ちょうど自分の結婚した年と重なる)。
主人公のふたりが、山形県西米沢で新婚の夜を明かした朝、
雪国の馬そりを毛布を重ね覗く、加藤剛との新婚姿がいい。

男前加藤剛は、静岡の御前崎の出身。2018年80歳で没した。
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もうひとつは、明治以来のボルネオへのからゆきさんの悲劇を描いた
「サンダカン8番娼館」。1974年作。

田中絹代が回想するつらい思い出を聞き出すルポライター役が栗原小巻。
内容がいいが、栗原小巻29歳時の白いパンタロン姿がいい。
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栗原小巻も吉永小百合も80歳になったが、なお健在。
終戦の年から、良き宝を残してくれた。
お姉さんらに負けず、僕らも頑張ろう。
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