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2011年 05月 05日 ( 3 )
ベトナムの光と影 第1回 将来性に投資する動きと今を躊躇する動き
タイとカンボジアの国境紛争で、ベトナムとカンボジアがいっそう接近していることもあってか、
最近は、タイの新聞もベトナムのことを多く報じている。
5月2日のバンコク・ポスト紙の「アジア・フォーカス」では、2ページに渡って、
ベトナムに関する記事が5つも掲載されていた。

それに関連して、興味深い点をご紹介しよう。
題して「ベトナムの光と影」。
その第1回目は、「長期的視点からの外国人のベトナムへの投資態度・・・
将来性に投資する動きと今を躊躇する動き」。

ベトナム経済は、依然としてとどまるところを知らないインフレ(4月17.5%は
主要国の中で、パキスタン、バングラデッシュ、ロシアを上回り断トツ)と
貿易赤字(昨年は124億ドルの赤字)、そして通貨ドンの不信任(下落)に苦しんでいる。

しかし、ベトナムという、この将来性の高い経済に対する外国人投資家の期待は衰えていない。
最大の理由は、その若い多数の人口にある。
8900万の人口のうち、半数が30歳未満、4人に一人が15歳未満とアジア主要国の中でも若い。
高齢化が近づいてくる中国やタイとは違う。
しかもベトナム戦争の影響もあり、国内消費の成長はこれからだ。
この若い人口を多く抱えた国の将来の消費需要に多くの投資家の目が行く。

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最近の外国人の投資動向で、最も注目されたのが、アメリカの「KKR」(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)のベトナムでの過去最大とも目される(?)プライベート・エクイティーへの投資だろう。
KKRは、ニューヨークに本社を持つ世界最大級のLBO,プライベート・エクイティーの投資会社である。

KKRは、ベトナムの魚醤の最大手「Masan Consumer」社の10%の株式を、この4月に1.59億ドルで買ったという。KKRにしてはたいした額ではないが、あのKKRが、現在経済の不調に苦しむベトナムで、将来を見越して、ベトナムの消費関連の会社の未上場株を買ったということで注目される。

今のベトナムの悪い経済状況と将来への高い期待の相反する状況を、うまく説明している人がいる。
「ベトナムの場合、海外の資本へ門戸を開けたペースが速く、国内の機関や人的資源が、今のマクロ経済のやりくりが追いつけていない状況だ」と、米アセアン・ビジネス・カウンシルのマーク・ミーリー氏は言う。うまく表現したものだ。

腐敗と無駄な官僚機構が経済運営を阻害しているが、今や経済成長よりも経済安定が共産党政府の課題となっている。1月の全人民会議でも、ビジネス成長モデルのオーバーホウルが決議された(しかし、トップは責任を取らずそのままだ)。

外国人のこの国への直接投資の動向はどうなっているのだろうか?
外国投資局の統計によると、今年の4ヶ月間の支払ベースの金額では36.2億ドルと、前年同期比1.0%増とへこんでいないが、4ヶ月の認可ベースで見ると、40億ドルと、昨年に比べ48%減となっている。また、プロジェクト・ベースで見ても、262プロジェクト(32億ドル)がこの間ライセンスを受けたが、これも前年同期比55%の減少である。

ベトナムには、日本、シンガポール、香港、マレーシア、韓国とアジアからの直接投資が多いが、日本のがんばりにもかかわらず、全体では減少しているようだ。これは、通貨ドンの下落などベトナム経済の状況を見て躊躇しているのか、それとも以前触れたように、ASEAN自由経済圏を見越して、生産効率のより高い国に工場を持って行って、そこからベトナムに輸出する戦略を立てる会社が増えたのか、注目されるところだ。

ベトナムの動向からは目が離せない。
by ucci-h | 2011-05-05 23:15 | ベトナム・フィリピン・ネシア | Comments(0)
インフレ上昇にも楽観的なタイ政府
タイのインフレ率(消費者物価指数)が4月は、前年比+4.0%と、15ヶ月ぶりの高い上昇率となってきた。
しかし、タイの政府は楽観的である。
商務省は、「4月は、暑さが強く、洪水もあったため、生鮮野菜が14.4%も上がり、肉類も7.2%押し上げた。変動の大きい食品、燃料を除く‘コア・インフレーション’は、前年比2.1%の上昇に過ぎない」と言っている。年間で3.2~3.7%のターゲットを変えていない。

しかし、4月は、賃金のアップに加え、エネルギー価格の上昇、さらにはタイ特有の価格統制の一部撤廃などもあり、インフレ・アップは予想されたことだ。
PPI(生産者物価指数)は、前年比6.6%の上昇となっている。

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食料品とエネルギー価格を、振幅が大きいからと‘コア’から除くのもおかしなことだ。この国は、農産物を輸出して、ほぼその同額で石油・ガスを輸入している国だ。

補助金で価格が抑えられているディーゼル油と天然ガス。この輸送・産業用の素材が、補助金プールがなくなり、自由化されていくとき、タイのインフレ率は一段と上がらざるを得ない。
それとも、それまでに国際原油価格が下がってくれることを祈るべきだろうか。
by ucci-h | 2011-05-05 19:19 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(0)
民営化に拍車かかるインドの株式市場
インドは、今後3年、公営企業の民営化、株式の上場に拍車をかけるようだ。

インドの外貨が底を尽き、経済危機にいたった20年前の1991年に、経済自由化で窮地を切り抜けるため、インドの公営企業の民営化は始まったが、当時はなお80%は、国が株式を所有する形だった。
それでも、217社ある公営企業のうち50社が過去に上場を果たし、国は2320億ドルを得ている。
その時価総額は今では3380億ドルと、ボンベイ(ムンバイ)株式市場の全時価総額の22%を占めるにいたっている。
ONGC(石油・天然ガス会社)、インディア石炭、国立火力発電会社の3社は、時価総額トップ10の中に入っている。

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これからは、累積債務がなく、過去3年間利益を上げている企業を公開していく予定だが、国の株式保有比率は51%とする。国が経営をコントロールしたいわけだ。
2010~2013年の4年間に、財務省民営化局は、新規公開と既上場企業の国の保有比率を51%へ下げていくことにより、860億ドルほどを調達したいようだ。
パワー・ファイナンス社、インド鉄鋼公社、ヒンドゥスタン・カッパーなどが公開される予定だ。

調達した資金は、インドのインフラの整備、灌漑プロジェクト、電力開発に当てたいという。

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外国人投資家が熱心で、ケースによっては売り出された金額の70%に応じていると、民営化局はいう。

外国人投資家のインドへの関心はこれから高まるだろう。
完全民営化でなく、国が経営権を維持してのこの民営化、インド政府のお手並み拝見である。
同時に、財務諸表を厳しくチェックしていく必要があるだろう。
by ucci-h | 2011-05-05 18:42 | 中国・韓国そしてインド | Comments(0)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
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