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FTAで伸びが加速する中国・アセアン間貿易
アセアン諸国では、アメリカの入ってくるTPP(汎太平洋パートナーシップ)への
対応もさりながら、隣の大国中国とのFTA(自由貿易協定)が昨年初めから
発効し、まもなく2年になるが、その効果が注目されている。

2国間協定(この場合は、アセアンをひとつと見なして協定している)の場合は、
それぞれのお国の事情を考慮して主張できるから、比較的まとまりやすい。
この「カフタ」(CAFTA、中国アセアン自由貿易協定、アセアンはシンガポール、
マレーシア、タイなどのアセアンの中の先進6カ国が調印)の場合、
中国もアセアンも経済が伸び盛りであり、交易推進の後押しは
効果的に働いているようだ。

中国は、アセアンにとって最大の貿易相手国だし、中国にとっても
アセアンは3番目に大きな貿易相手地域である。
両者の貿易量は、自由化初年の昨年は2930億ドルに達し、
前年比37.5%の高い伸びとなった。


アセアンの貿易の特徴は、以下の4点である。

①全体の貿易量は1兆5388億ドル(2009年)にのぼるが、
輸出が8105億ドルと輸入の7284億ドルを上回っている。出超である。
②アセアン10か国中、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアの4カ国で
貿易量の85%を占める。
③域内貿易が25%、域外貿易が75%である。
④域外の貿易相手国では、中国11.6%、EU(25各国)11.2%、日本10.5%、
アメリカ9.7%の4カ国・地域が、全体の43%を占めている。

アセアンの日本との貿易シェアは1980年の25.9%から、
2009年には、10.5%に縮小している。
これは、過去ほぼ30年間での日本とアセアンの貿易の伸びが4.5倍と、
アセアン全体の貿易量の伸び11.3倍の半分以下だったためだ。
ことに日本のアセアンからの輸入は、3.2倍しか伸びなかった。

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カフタの元では、アセアン製品の中国向け関税は、平均0.1%に
下げられた。中国製品のアセアン6カ国向けの関税も、0.6%と
なった。

中国とアセアン間の貿易量は、過去20年で年平均20%で伸びている。
今年に入っても、9ヶ月間で貿易量は26.4%増の2670億ドルと
なっている(未検証)。
世界経済が先進国中心に停滞する中で、この成長地域どおしの貿易は
大きく伸びている。

貿易だけでなく、両地域への直接投資も進んでいる。
中国からのアセアン地域への投資残高は135億ドルになったが、
アセアンからの中国への投資額も全体で673億ドルに達したと見られる。

アセアンとの経済面での交流には中国の並々ならぬ思い入れがある。
経済だけでなく、アメリカの経済的包囲網が組まれないためにも
先制したいし、ベンガル湾を隔てたインドへの対抗もある。

中国・アセアンの連携強化に加えて、中国は、日本、韓国も
加えたいようだが、この思惑とTPPとはどう重なり合っていくのだろうか。
by ucci-h | 2011-11-07 13:20 | 貿易・直接投資の動き | Comments(0)
男子テニスの錦織選手(世界32位)、世界1位のジョコビッチを破る
これをブログに書き残しておかなくては、と思うことが
年に何回かある。

今、終わったが、男子テニスのスイス・バーゼル大会(ATP500)準決勝で
日本の錦織(にしこうり)選手21歳(先月の大会の準優勝で世界32位に)が、
私の好きな世界ランク1位のジョコビッチ選手(セルビア)に勝ったのだ。
快挙である。

先月の上海の大会では、決勝まで行ったが、途中足首を痛めたこともあり、
世界3位のアンディ・マレー(英国)の敵ではなかった。
終わったあとの足が心配されたが、何の報道もなかった。
09~10年に右ひじの疲労骨折でプレーできなくなったが、そこからの
見事な復活である。

今回も準決勝まで来たが、ジョコビッチにどこまで通じるか、ダメかなと
思って見ていたが、第1セットを2-6で取られた後、第2セットは粘って
タイブレークに持ち込み、7-6で勝って、第3セットへ持っていった。

世界No.1から1セット奪えてよかったなと思っていたら、
ジョコビッチも右上腕が痛く、十分ではなかったようだが、
最終セットは6-0で錦織がストレート勝ちした。
まるで夢の世界のようである。

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前回の上海大会では、世界8位のツォンガを破り、
解説者から「きゅうりのようにクールな選手」と評された。
今回も、冷静なプレーで、「アジアのチャンピオンが世界一を破った!」と
アナウンサーに言わせた。

アメリカのフロリダに住んでがんばっている。
テニスは、日本の女子に一時の勢いがなく、伊達選手が
41歳でがんばっているくらいだ。
錦織選手の活躍は、この厄年を振り払うものだ。
日本の若者も海外でもまれると強くなるものだ。

テニスほど見ていて面白いスポーツも少ない
(やる選手は大変だろうが・・)。
皆さんも、テニスファンになってください
(日本ではテニスの中継が少ないかな?)。

チェンマイでのスポーツ観戦で一番面白いのは、
ゴルフもサッカーも野球もアメフトもあるが、テニスである。
これからも、体を大事にしてがんばって欲しい、錦織選手!
by ucci-h | 2011-11-06 01:48 | スポーツ観戦 | Comments(4)
タイの洪水の各種産業に与える影響度合いはどのくらいか
タイの洪水は、バンコクから、その南のサムート・プラカンをも
巻き込もうとしている。

GDPの落ち込み度合いも気になるが、工場が水没し、物が
出回らなくなるおそれの方が気に掛かる。
すでに、チェンマイのスーパーでも、商品の空いている棚が多くなった。

TMB銀行の調査機関「TMBアナリティクス」が洪水の各産業へ
与える影響を分析している。

すでに、アユタヤとパトゥム・タニの7工業団地が水没し、
3140億バーツ(約8500億円)の投資が水に浸かったといわれる。
半分以上は、日本企業からのものだ。
この7つの工業団地で、タイ全体の製造業の22%ほどを供給していると
いうから影響は小さくない。

人的災害が、ここまで死者437名、水に浸かった家屋300万戸だが、
今後、さらにバンコク、サムート・プラカンの工場も水害を受けるとしたら、
製造業への影響は広がる。これに、サムート・サコン、ナコン・パトムと
いった現在進行形の工場を加えると、製造業への影響は、さらに38%
増えると見られる。
最終的に、仮にタイ全体の製造業の60%が水に浸かったとしたら、
程度にもよるが大きなことだ。

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世界第12位の自動車生産国タイの洪水被害の影響は、日本車の
アメリカ生産にも部品不足として及ぶ。
ホンダのロジャナ工場はなお3mの水の中だから、再開まで6ヶ月は
かかると見られる。

各産業への影響度を、
①すでに大きな洪水被害を受けたところ(赤)、
②現在進行中の脅威(黄色)、
③洪水のないところ(緑)の
3色に分けて、示されているが、
自動車産業はすでに7%、可能性も含むと、77%が被害を受けると予想される。

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(バンコク・ポスト紙11月4日付け)

自動車と並ぶ主要な輸出産業でもある電子産業も大きな被害を受けた。
赤29%、黄色を足すと、42%が影響を受ける。
ことに、タイはコンピュータ用のHDDで、中国に次ぐ、世界第2の生産国だ
(世界シェア25%)。トップのウエスタン・ディジタル社の世界の6割を作っている
ナワ・ナコーンとバンパインの工場が水没した。世界シェア11%の東芝の
HDD工場も同様だ。世界第2位のシーゲイト社の工場だけまだ大丈夫だが、
予断を許さない。コンピュータの価格は上がっている。

ここまでで最大の被害をこうむったのは、飲料産業である(全国の64%が水没)。
コカコーラやネッスル、オイシの飲料生産が停止した(ヤクルトもこなくなった)。

そして、水害が今後バンコク以南に及ぶと、今度は、
食品、紙製品、衣料品などの生活必需品の生産にも影響が出てくると見られる。
バンコク、サムート・プラカン、サムート・サコン、ナコン・パトムへの
水の流れに要注意だ。
もっとも、軽工業は、自動車や電子産業と違って、全国に広く分布している
ので、物不足騒ぎが起こらないよう祈りたい。

TMBアナリティクスは、ここまでの被害2000億バーツ(約5500億円)のうち、
7割の1400億バーツは資産の損耗、3割の600億バーツが生産物のロスと
見ている。生産物のロスは、第4四半期~来年の第1四半期、GDPの足を
ひっぱろう。

そして資産の水没は、言い方は良くないが、加速償却されたようなものである。
水が引けたあとは、その分投資の加速がタイのGDPを引き上げると見ている。
はやく水が引いてほしいものであるが、平らな土地に大量にたまった水が
引くまでは時間がかかりそうだ。
by ucci-h | 2011-11-05 20:03 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(3)
ローイ・クラトンの軽い話題
チェンマイはローイ・クラトン(灯篭流し)のお祭りの週末である。

川に主にバナナの葉で作った灯篭を流し、空にコムロイ(紙製熱気球)
を打ち上げて、水の精霊に感謝すると共に、自分の嫌だったことを追い払う。
毎年、陰暦12月の満月の夜が中心だが、年によって、11月初旬から
11月下旬まで幅がある。今年は早いほうだ。
ちょうど雨季明けと重なる。
バンコクの方は、なお水が流れ込み、水の祭りどころではないだろうが。

ちょうど、金曜日の「GURU」に、ローイ・クラトンの特集が載っていた。
その中で、面白い軽い話題を紹介すると・・。

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ローイ・クラトン(灯篭)に乗せて、流してしまいたい人は?

1位がタクシン、2位がインラック、3位がアピシット、4位が個人的な敵で、
5位がセクシーな歌と踊りで有名になったジャ・ターボ嬢である。
どこに行っても政治家はかわいそうに嫌われるが、タイでは特に
その傾向が強い。
ジャ・ターボさんが一寸法師のようにクラトンに乗って流れてきたら
拾いに行こう。


・同じく、クラトンに乗せて流してしまいたい今年の嫌な思い出は?

1位が今の洪水、2位が友達とのけんか、3位が痛い失恋、4位がだまされたこと、
そして5位が愛人を持っていることがばれたこと・・。

・クラトンを流す代わりに、水の精霊に感謝するとしたら?

66%の人が、川や運河のゴミを拾うことと、物を捨てないこと、
水藻を取り除くことなど、川の浄化を挙げている。

・バンコクの運河に漂っているもののベスト5は?

犬や猫の死体、靴、オオトカゲ、コンドーム、そしてベッドのマットレス

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・クラトンに、タイ人が自分の要らない部分として乗せて流すものは?

切ったつめ、髪の毛、そしてコイン(コインは不要だからじゃありません)

・もうひとつのタイのお祭り4月のソンクラーと比べると、
どちらの機会にティーネージャーがセックスすると思うか?

ローイ・クラトン時と見る人は44%なのに対して、ソンクラーンの時と
思う人は80%と高い。
そりゃあ、暑い盛りの水掛け祭りの時のほうが開放的になるでしょう。

おしまい。
by ucci-h | 2011-11-05 19:56 | チェンマイのお祭り | Comments(4)
プミポン・ダムの1年間の水位の変化から判ったこと
69年ぶりという戦後最大のタイの洪水をもたらした
今年の大雨。通年の1.4~1.5倍降ったと言われるが、
実際の水量はどのくらいだったのだろうか?

メガ・ダムが早めに放水しなかったため、下流のナコンサワン、
アユタヤ、パトゥム・タニ、そしてバンコクの被害が大きくなった
と言われるが、どのくらいの水量だったのだろうか?

前回見たように、確かにダムの放水を6月ごろより早めに
行なっていれば、9-10月に下流に押し寄せた水量は
減っただろう。もっとも今回はそれでもあふれ出るほどの
雨量だったようでもあるが。
 「バンコクへの水の流入量は? 2011-10-20」
  http://uccih.exblog.jp/14795061/

そんなことを考えていたら、
11月3日に、ダムの管理を灌漑局とともに担う「EGAT」(タイ発電公社)の
総裁が、「大洪水は、ダムの管理不足によるものではない」と
弁明した、と伝えられた(2つの組織が管理しているとは、
管理していないことにつながっていないだろうか)。
灌漑局の作ったプミポン・ダム(容量135億㎥)の1年間の
水位の変化のグラフがバンコク・ポスト紙に載っていた。

このグラフをベースに、今年の雨季の雨量の変化を
想定してみた。なお、グラフの「最大、最小貯水能力」は間違いで、
正しくは、「上方、下方管理水量」である。

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タイの北方、チェンマイやターク(プミポン・ダムの所在地)には
年間750~850mmの雨が降る。ちなみに海に近いバンコクの方が
年間降雨量は5割近く多い(平均年1169mm、東京は1854mmともっと多い)。
タイの年間降雨量のうち9割近い雨は、5~10月の雨季の半年間に降る。

今年は、例年より4割がた多い雨が降ったというから、北方のチェンマイや
タークでは、雨季の6ヶ月の間に1000mm前後の雨が降ったことになる。
年間では1000mmを超え、日本で雨の少ない長野や北海道の年平均を
上回ったかもしれない。
この雨の蒸発・吸収されなかった分が、ピン川に流れ込み、プミポン・ダムを
満たした。

蒸発率や、川に流れ込む雨域面積は知らないが、
週平均40mm近い雨が(実際は、雨季の末期9-10月の雨量が多いが)、
川を増水させ、ダムの水位を上げていった。


灌漑局の数字だと、過去2年、プミポン・ダムの貯水量は、雨季の間に、
41~47億㎥(ダムの容量の30~35%)増えたものだが、今年は、
72億㎥増と、例年に比べ55~75%多く増え、満水になった。
ダムに水の貯まった増え方は、降雨量の増え方4割増を上回った。

ちなみに、2009年は、5月の貯水率40%を底に、雨季の終わりには70%へ、
水不足の昨年2010年は、7月末まで、貯水不足は続き(ボトムは貯水率28%
の水枯れ状態に)、雨季が終わっても、63%の貯水率のピークだった。

しかし、今年の雨季入りの5月始めには、乾季にチェンマイでも異常に
雨が降ったりしたためか、貯水量は46%と、前の2年より高めでスタートした。
そして雨季の大雨、ダムの水位はぐんぐん上がっていった。
9月末にはすでに90%の貯水量を超えていた。

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灌漑局のグラフには、ダムのフローの数字、入水量と流出量が
ないので、ダムの水量管理がどう行なわれたのか判らない。
しかし、結果数字から見ると、リスクを見ない貯め過ぎと言えよう。

今年雨季の半年で72億トン(㎥)も増えたということは、1日平均4千万トン
ずつ貯水量が増えたということである。もっとも雨量は5~7月よりも、
8~10月の方が多く、5~8月で23億トン(一日平均2550万トン)、
8~10月はその倍以上の49億トン(一日5440万トンずつ、多い日は1億トン)
増えていったことが、グラフからも読み取れる。

5~7月のペースで行くならば、10月に雨季が終わった時、
ダムの水位は、当初の46%に34%分(46億トン)が加わり、ちょうど
80%でめでたしめでたしだが、例年、8~10月の貯水ペースは、
倍、ないしそれ以上の高いペースになることは専門家でなくとも
知っている(それとも5~7月によく降ったので、雨季後半の雨は
少ないと見たのだろうか?そんなことはないはずだ)。

雨季後半の貯水増は、2009年でプラス32億トン、2010年で
プラス43億トンである(放水量はわからないが)。この平年の
平均でも、雨季後半37億トンほどは増えるとすれば、雨季明けには、
貯水率は90%を超える(91%)。仮に昨年並みに増えれば、
雨季明けには96%と満水ぎりぎりになる。

平年以上の雨量が続けば(実際そうなったわけだが)、
雨季後半の貯水量は49億トン増え、100%に達し、9月~10月
の15日間ほど、一日7千万トンから1億トン、多い日は、
1.5億トン(1秒当たり1736トン)もの水を放流せざるをえなくなった。

EGATのスタット総裁は、ダムの放流のタイミングについては
触れていない。
「タイは過去30年、年平均2つか3つのストームに襲われたが、
今年は5つも、しかも7月末以降に4つもやってきた」と天候異常を
説明し、「ダムは洪水の原因ではない。むしろダムで水を止めなかったら、
下流の水はもっと多かったろう」と弁明しているが、説得力に欠ける。
by ucci-h | 2011-11-04 20:45 | アジア的な生活 | Comments(4)
洪水で水没した機械・部品は回収でき使えるのか?
タイの工業団地で工場が水没してから
最大の関心は、いつ水が引くのかと並んで、
水中に沈んだ機械や部品はどうなるんだろう、
使い物になるんだろうか、ということであった。

今、水没した工業団地では、潜水夫たちが活躍していると、
11月2日付のバンコク・ポスト紙は伝えている。
日本など海外から代替品を取り寄せるとなると、輸送や
据付などに時間がかかる。
水没した機械類を使えるなら、それに越したことはない。
そして、実際多くが使えるようだ。

一番回収したいのは、鋳型のようだ。
そして部品、機械となる。
潜水夫は、ふつうは海での潜りが専門だが、
工場の水没物の回収には、別の難しさがあるという。
水は、機械の潤滑油と混じり、視界が30センチほどしかないという。
手探りだ。

また、数百キロに及ぶ重い機械の引き上げには、
酸素ボンベの空気を浮き袋に供給しなければならず、
ボンベの交換が離れた場所まで頻繁になる。
また、重い機械をうまく浮き袋と結ばないと、落下し、
足に怪我を負いやすいという。

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しかし、潜水夫のニーズは高く、
日本、台湾の企業など220工場からの引き合いがあるという。
一仕事、40万から100万バーツかかるという。
納期がある下請け会社では、涙を流しありがたがっているところもあるそうだ。
鋳型、部品、機械の回収が迅速に進むと良い。

一方、なおバンコクの2つの工業団地が、水没の危機にさらされている中で、
北方アユタヤの工業団地の中には、ハイテク工業団地などのように、
水位が下がってきているところが出てきている。
あと20センチも下がれば、電気を通す予定だそうだ。
電気系統では、ロジャナとバンパインの電柱は倒れたが、
全体では通電できる状況だと言う。
アユタヤのワンノイ発電所では、1ヶ月ぶりに発電を再開している。

ハイテク工業団地では、11月16日から水はけを予定していたが、
11月11日に前倒しされた。
このまま行けば、12月前半は、清掃とインフラの整備に使われようが、
年内には一部操業が再開されると見られる。

タイでは、一部に物不足パニックが起きている。
早めに、工場再開に持っていって欲しい。
by ucci-h | 2011-11-02 20:34 | タイの政治・経済・金融・為替 | Comments(5)
いよいよ動き出すか「デリー・ムンバイ産業大動脈」計画
インドは、面積(328万平方km)でも、人口(12億人)でも
日本の9倍という大きな亜大陸国家だ。
日本が9つ集まったようなもの。

近年でこそ、経済成長が立ち上がったが、以前は
ずっと眠っていたような国で(最大都市ムンバイの歩道には
15年前には夜間、人が並んで寝ていた!)、中国に
引き離された。

資金がなかったので、金のかかる重工業の建設ができず、
まずは設備投資のかからないソフト開発事業を広げて行ったのが、
かれこれ20年ほど前からだろうか。普通の国の順序と逆だった。
海外進出に積極的な日本企業も、インフラの未整備から
二の足を踏むところが多かった。

その巨象が、ようやくインフラ整備に目覚めようとしている。
総額1000億ドルにのぼる「DMIC(デリー・ムンバイ工業回廊)計画」が
動き出そうとしている。

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(日本開発政策研究所の資料より)

このインドの2大主要都市、首都のデリー(人口1200万人)と
商業の中心ムンバイ(1380万人)間、1375kmを高速道路や鉄道で結び、
その沿線に工業団地を作って行こうというものである。
これにより、遅れていたインドの製造業で300万人の雇用を生み出し、
この地域からの工業生産を5年で3倍に、輸出を4倍に増やそうという
ものである。数年内に着工し、2018年の完工をめざす。

この構想は、日本では「デリー・ムンバイ産業大動脈構想」と
名づけられているが、5年前の2006年12月、日本からの提案で
始まったものだ。経済産業省が進めている。
もともとは、インドの4大都市(あとコルカタとチェンナイ)をつなぐ
98年のインド人民党政権の「黄金の四角形」構想から発している。

2008年1月にインドに開発主体となる「DMIC開発公社」が設立され、
その年10月に日本のJBIC(国際協力銀行)からの融資体制ができ、
2009年12月に計画の大綱となるマスター・プランが策定された。
もっとも、マスタープランの策定に当たっては、価格の高い日本
企業ではなく、欧米やシンガポールの企業の応札が採用された。

デリーからムンバイまで、平均200平方kmの工業地域を6つ作ろうという
構想だが、周辺地域まで含めると日本の国土面積を上回る51万平方kmに
及ぶと言う。
道路だけでなく、鉄道、港湾も整備すると言うが、デリー・ムンバイ間の
貨物鉄道輸送時間が、これにより60時間から36時間に短縮される見込みだ。

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このインフラ整備計画には、障害も山積している。
インドの農地は農民の権利が伝統的に強く、農地の収用には手間がかかるという。
また、こういった利権がらみのことには、汚職、腐敗、賄賂がつきものだ。
こういうことの露見が開発を止めることもある。

さらに、計画が途中で崩れる心配もある。
当初計画がずさんで、途中から開発が進まなくなる恐れもある。
インドの担当者は、バンコク・ポスト記者の取材に対し、
「すべて建設許可が通るまで、着工は始めない」と慎重な姿勢を
強調している。

日本は、新しい工業団地に、再生可能エネルギー、水管理、
スマート・シティー、リサイクル施設といった日本得意の
先端技術を応用して、入札に応じる意向のようだ。
ハイテクの応用はけっこうなことだが、現地のまずは
ローテクでもいいから安いプランをと言うニーズから
離れた過剰スペックにならないよう、がんばってほしいものだ。
by ucci-h | 2011-11-02 12:58 | 中国・韓国そしてインド | Comments(4)
「勝手に海外に行って!自己責任でしょ」
タイの洪水が広がり、工業団地に半分以上の工場を持っている
420以上の日本企業が被害を受けた。

日本の友人からの話だと、「勝手に海外に進出したんだから、
損害も自己責任だろう!」という狭量な声も日本では聞かれるとのことだ。

少数の見方だとは思うが、また言葉尻を取るわけではないが、
こういう狭量なものの言い方は、“ムラ社会”(仲間社会)の日本の中では、
比較的耳にすることばだと思う。
こういう物言いに対して、「そうね。そういう面もあるわね」と、
肯定する空気が日本社会に流れているのも否定できない。

しかし、こういう突き放した言い方をする本人の感情とは別に、
この「勝手に海外に・・・」の言葉の裏には、日本社会の古くからの
物の見方が横たわっているような気がする。

まず、「勝手に」だが、この言葉の中には、個人が自由に自分の意思で
行動することに対する、妬みと、その裏返しの侮蔑の感情が埋もれている。
勝手にやることは、突出した、ネガティブな意味合いを持つ。
大げさに言えば、個人の自由行動は、日本では白い目で見られがちなのだ。

個人が勝手に海外にボランティア活動に行くのには、疑問符がつき、
政府の命令で派遣されたなら、活動内容は問わず、それだけで
褒められることになるのか?それでは、個人主義ではなく、
全体主義だろう!と皮肉のひとつも言いたくなるが、
実際そうなのかもしれない。

2004年4月にイラクで日本人3人が武装勢力に人質になった事件があった。
「勝手に危ないところに行ったのだから、自己責任だ!」との合唱が
盛り上がり、時の日本政府は、テロには屈しないと言うだけで、
救助活動をせず(できず?)、現地聖職者により解放された後、
デモとしてチャーター機を現地に飛ばし、その費用を人質たちに請求するという
けちなところを見せたことがあった。

その後、家族への同情論なども出たが、ふだん‘自己責任’意識の
薄弱な国だからこそか、今回も含めて、自己責任論が噴出する。
自己責任は当たり前のことである。異国に行き、死のうが傷を負おうが、
自己責任は当たり前のことだ。ペジョラティブ(蔑視語)として
使われる筋合いはないと、息巻きたくなる。

タイと比べると、日本は自己責任という言葉はあるが、
自己責任意識の薄い国だ。何か事故や困難があると、政治や
お上の監督責任のせいにする。よって、官僚主導は
国民のラブコールに応えて、ますます強くなっていく。
官僚なしには、しろうと政治家は、立法府にあって法案も作れないのが多い。

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日本語の「勝手に」は、「心配させて」の対語である。
「勝手にお母さんはタイへ行って!私たち(娘たち)が心配じゃないの?」
は、2009年に封切られた、小林聡美主演のチェンマイを舞台にした
映画「プール」の中のせりふだが、「勝手に=心配させて→悪いこと」が、
日本語の図式になっている。

件の人質事件の時も、「あんな無茶をするから(無茶をしたのは武装派の方だけど)、
私たちに余計な心配をさせて」という日本を代表した非難の声があった。
それこそ、自分たちで勝手に心配しておいて、身代わりになるわけでもなかったのに。

小林聡美扮する主人公の主婦京子は、「タイが好きだから来たのよ。
あなた達が心配になるような育て方はしなかったわよ」とさらっと流す
場面が印象的だった。

話がずれたが、戦後66年たったが、日本のムラ社会、仲間社会の体質は
ほとんど変わっていない様に見える。
皆が力を合わせるプラスの面はあるが、ムラから出て行ったものは
勝手にしろという意識である。

タイと日本の製造プロセスの密なつながりは、今回の洪水で
明らかになったが、「外国では勝手にしろ」では、現代のグローバル連携の
中では生きていけない。

聞くところによると、今では商社の若い社員ですら、海外赴任を
嫌うものがいるそうだ。
理由は、「タイはシャワートイレがないから」とか?(タイなら、手動式だが、
昔からシャワートイレはあるわい)。

現在の日本社会の閉塞感を外から見ていると、
その底に、外に対する被害者意識と、内において、自ら動こうとしない
無気力さが目立つ。これでは困る。
人任せにしておいて、何かあれば被害者意識が強く、
自ら個人として‘勝手に’動かない国の将来はどうなるのかと
それこそ、心配になる。

それでも“ガラパゴス島”がなお平気なのは、ゆで蛙現象だけでなく、
まだまだ日本の技術や製品が世界から求められているからでしょう。

「勝手に海外に行って・・」と言う人がいたら、海外へ進出した企業の
社員の、慣れない海外での頑張りがあるからこそ、給料の
上がらない日本でも、安い食品や製品を手に入れ暮らせるのだ、と
思い返してほしいものだ。
by ucci-h | 2011-11-02 01:12 | 日本・米国・欧州 | Comments(10)
  

北タイのチェンマイをベースにメコン、アセアンの経済、見所、食べ物を日本と比較して紹介します。ただし投資をアドバイスするものではありません。コメント記入は題字をクリック下さい。
by バンディ
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